社格

社格の概要

社格（しゃかく）とは、神社が持つ格式や地位を表す制度です。これは、祭政一致の原則に基づき、朝廷などによって定められました。社格は古代から近代、現代へと形を変えており、それぞれの時代背景に沿った特色があります。以下に、社格の体系とその変遷について詳しく述べます。

上古社格制度

古代の社格制度は、天津社と国津社に分けられます。天津社は天津神を祀る神社、国津社は国津神を祀る神社です。この時代の社格制度は、特に神の種類に基づいて分類されていました。

古代社格制度

古代の社格制度の中で、官社（式内社）が特に重要です。国家から保護されている神社が官社と呼ばれ、通常は朝廷から祈年祭に伴う奉幣を受ける神社を指します。この制度の始まりは不明ですが、701年の大宝律令に基づいて制定されました。古代の神社の官社としての地位は、断片的にしか記録が残っていませんが、927年に成立した『延喜式』において官社のリストが存在しています。

式内社とは、『延喜式神名帳』に記載されている神社で、合計2861社が記されています。式内社は特に格式が高い神社とされ、名神大社と呼ばれる神社も含まれています。この時代、官社制度は機能していなかったと考えられるものの、式内社は後世において重要性を持ち続けました。

官幣社と国幣社

官幣社は神祇官から奉幣を受ける神社、国幣社は国司から奉幣を受ける神社です。これらはそれぞれ格の大小が定められ、官幣社は国の重要な神社に対して特に高い位置づけがされていました。社格の順番は、官幣大社、国幣大社、官幣小社、国幣小社の順で、これに基づく社格が存在しました。

中世社格制度

中世になると、一宮や連社が注目されるようになります。一宮はその国でもっとも有力な神社であり、国司が赴任した際に最初に参拝する神社です。その他の神社も二宮、三宮として位置づけられることがありましたが、その基準は明確ではなく神社の盛衰に左右されました。

総社（惣社）とは、任国内に彼の神社を巡拝するために、国府近くで合祀された神社を指します。国司奉幣社は国ごとの神名帳に記載された神社であり、その中には重要な神社が含まれています。

近代社格制度

明治維新後、従来の社格に基づいて近代社格制度が設けられました。しかしこの制度は、第二次世界大戦後にGHQによって廃止されました。近代の社格制度では、最尊貴の神社である神宮（伊勢神宮）を筆頭に、官国幣社や別格官幣社などが設けられました。特に官幣大社や国幣大社は重要な地位を占め、数多くの神社が指定されました。

現代の社格とその影響

戦後、社格制度は国家から独立したため、古代的な社格は現代には存在しません。しかし、古代以降の社格呼称が、いまだに特別視される場合もあります。例えば、式内社や一宮などの名称は、今でも神社の格を示すものとして理解されています。また、神社本庁の制度など、神社の管理や運営においても特別な 呼称が使われることがあります。

社格は歴史を通じて多様化し、時代に応じて形を変えながらも重要な役割を果たしてきました。

もう一度検索