国立保健医療科学院

国立保健医療科学院について

国立保健医療科学院（National Institute of Public Health, NIPH）は、日本の公衆衛生分野における中核的な研究・教育機関です。厚生労働省の施設等機関として、国民の健康と福祉の向上に寄与することを目的に活動しています。

概要

所在地は北緯35度46分29.1秒、東経139度36分33.7秒に位置します。この場所で、公衆衛生に関する様々な研究、人材育成、政策提言などを行っています。

歴史

国立保健医療科学院は、複数の機関が統合・改組されて誕生しました。

前身

国立公衆衛生院：1938年に設立された公衆衛生院を前身とし、厚生科学研究所への改称、厚生省研究所への統合などを経て、1946年に公衆衛生院として再発足しました。その後、国立栄養研究所の分離や国立公衆衛生院への改称を経て、国立保健医療科学院へと統合されました。
国立医療・病院管理研究所：1949年に病院管理研修所として設立され、病院管理研究所、国立医療・病院管理研究所へと改称されました。こちらも国立保健医療科学院へと統合されました。
国立感染症研究所口腔科学部：一部が国立保健医療科学院に統合されました。

これらの機関が2002年4月1日に改組され、和光市に移転し、現在の国立保健医療科学院となりました。

目的

国立保健医療科学院の主な目的は以下の通りです。

公衆衛生に携わる人材の養成：将来の公衆衛生を担う人材を育成するための教育プログラムを提供しています。
公衆衛生の学理の応用に関する調査・研究：公衆衛生の課題を解決するための科学的な根拠に基づいた研究を行っています。

主な活動

研究活動：感染症対策、生活習慣病予防、健康増進など、幅広い分野で研究活動を行っています。研究成果は、政策立案や実践活動に活用されています。
教育活動：公衆衛生専門家、医療従事者向けの研修プログラムや大学院教育を提供しています。
政策提言：研究成果に基づき、公衆衛生政策に関する提言を行っています。

在籍した人物

過去には、国包章一、東野定律、花田信弘といった著名な研究者が在籍していました。

不祥事

2023年6月、院の元政策技術評価研究部長が、臨床研究情報検索ポータルサイトの運用保守業務入札において、特定の業者に便宜を図ったとして官製談合防止法違反の疑いで逮捕されました。この事件は、入札要件の不透明性や特定の業者への便宜供与が問題視され、組織の運営体制に対する信頼を損なう事態となりました。

その他

2020年には、中国武漢市で発生した新型肺炎の流行を受け、帰国者の受け入れ先の一つとして、科学院の寄宿舎が利用されました。この対応は、感染症対策における国の重要な役割を示すものでした。

関連情報

関連項目
公衆衛生大学院
衛生学

外部リンク
* 公式ウェブサイト

国立保健医療科学院は、日本の公衆衛生の向上に不可欠な機関として、今後も重要な役割を担っていくと考えられます。

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