国立国会図書館長

国立国会図書館長について

国立国会図書館長は、日本の国立国会図書館の管理を行う職務を担う国会職員であり、その公式な英名は "Director General of the National Diet Library" です。この役職は1948年に設立された国立国会図書館の創設に伴い設けられ、現在も国会職員の一員として重要な役割を果たしています。

役割と任命

国立国会図書館長の主な役割は、図書館事務を総括し、図書館の職員を監督することです。この職務の実行にあたっては、衆議院と参議院の議長が議院運営委員会と協議し、国会の承認を得て共同で任命を行います。重要なのは、国立国会図書館長には政治的中立性が求められ、法律により政治活動を行うことが禁じられています。また、任務の遂行においては、各国会議員に対して資料を偏見なく提供する義務が課されています。

給与と待遇

かつては国会図書館長の待遇は国務大臣に準じるとされ、高額な給与が問題視されました。そのためこの規定は2005年に改訂され、現在は各議院事務局の事務総長や法制局長官と同等の水準になっています。額面は時期によって変動がありますが、一般的には公務員として安定した給与が保証されています。

任期と副館長

国立国会図書館長には明確な任期は定められていませんが、歴史的に見ても大半の館長は4〜5年程度で辞任してきました。ただし、初代館長の金森徳次郎は10年以上その地位を保った例外的な存在です。館長を補佐する役割として、副館長が設けられています。副館長は主に国立国会図書館の内部から任命され、館長が不在の場合にはその職を代行します。

権限

国立国会図書館長の権限は包括的で、図書館の事務を管理し、職員の任免を行うほか、関連部局の設置や職務の定義をすることができます。ただし、ナンバー2の副館長の任命に関しては、議院の両議長の承認が必要です。また、国会図書館は衆議院、参議院のいずれにも属しないため、館長は独立して職務を遂行できる立場にあります。国会図書館長は、国会之外においても支持機関の図書館の任命権を有するため、幅広い権限を持っています。

歴代の館長

歴代の国立国会図書館長の中には、初代の金森徳次郎をはじめ、多彩な顔ぶれがいます。在職中に亡くなった館長の業務は、副館長が代理してきた事例も多いです。特に注目されるのは、羽入佐和子氏が女性として初めてこの職に就いたことです。

終わりに

国立国会図書館長は、国立国会図書館を代表する重要な職務であり、政治的中立性を堅持しつつ、図書館の運営を円滑に進める責任があります。この地位は、情報の透明性を保ち、国民に対して必要な資料を適切に提供するための基盤となっています。

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