国立天文台ハワイ観測所

国立[[天文台]]ハワイ観測所について

国立[[天文台]]ハワイ観測所（NAOJ Hawaii Observatory）は、日本の国立[[天文台]]が海外に設置した初の大学共同利用施設です。アメリカ合衆国ハワイ州ハワイ島ヒロに拠点を置き、マウナケア山頂に設置された「すばる望遠鏡」を用いた天体観測を行っています。

公開情報

この施設は国立[[天文台]]の研究施設であると同時に、ハワイ大学との共同研究施設でもあります。そのため、以下の公開情報は日本国内向けの情報となります。

- 一般公開: 施設見学は予約制で実施されています。これは、高地にある施設のため、高山病のリスクを考慮する必要があるためです。
- 特別公開: 特別な公開イベントは行われていませんが、国立[[天文台]]三鷹キャンパスや岡山天体物理観測所の特別公開で、ハワイ観測所の研究成果が公開されることがあります。
- 研究利用: 全国および国際共同利用施設として、研究者に広く利用されています。

歴史

公式記録に基づく観測所の歴史は以下の通りです。

- 1991年 4月1日: 大型望遠鏡計画が開始。
- 1992年 4月1日: 望遠鏡の製作が開始。
- 1997年4月10日: 国立[[天文台]]ハワイ観測所がハワイ州ヒロ市に開所。
- 1998年 10月10日: 望遠鏡本体の組み立てが完了。
- 1999年 1月29日: ファーストライト（試験観測）を実施。
- 2004年 10月1日: 望遠鏡ドーム内の一般見学者の受け入れを開始（予約制、16歳以上対象）。
- 2006年 4月1日: 一般展示をイロミア天文学センター（天文博物館）へ移管。
- 2006年10月: 地震の影響で一時的に観測が中断したが、11月に再開。

施設の概要

観測所は、マウナケア山頂施設とヒロ研究室の二つの主要な施設で構成されています。

マウナケア山頂施設

- すばる望遠鏡ドーム施設:

- すばる望遠鏡：観測所の主観測装置。
- 機器調整室：観測機器の微調整を行う場所。
- 機器保管室：観測機器を保管する定温倉庫。
- 鏡面洗浄・蒸着室：望遠鏡の鏡面をメンテナンスする部屋。

- 観測制御棟:

- 観測室：観測データを確認する部屋。
- 機器モニター室：望遠鏡やドームの稼働状況を監視する部屋。

ヒロ研究室

- 研究室・実験室: 研究者が研究活動を行う場所。
- 図書室: 天文学関連の専門書が揃えられた図書室。
- 事務室: 事務処理を行う部門。
- 大型計算機室: スーパーコンピュータを運用し、観測データの解析を行う場所。

ハワイ観測所の活動

マウナケア山頂では観測装置の制御やモニターを行い、ヒロ研究室ではデータ解析や研究活動が行われています。現在80名以上のスタッフが常駐しており、最先端の研究に取り組んでいます。標高4000mを超える高地での作業は危険が伴うため、可能な限り山麓施設で作業が行われます。

すばる望遠鏡は、国立[[天文台]]の光赤外観測研究部門と密接な関係があり、観測装置の開発は先端技術開発センターで行われています。また、ハワイ大学やハワイ州との協力関係を強化しており、イミロア天文学センターには4D2U（4次元デジタルシアター）が設置されています。

すばる望遠鏡への道のり

ヒロ研究室からマウナケア山頂までは、国道200号線を通って約20kmの距離があります。標高差は約4200mに達するため、高山病予防のため、ビジターセンターで体を高地に慣らすことが推奨されています。見学者は、専用のRV車やレンタカーを利用して山頂に向かいます。

すばる望遠鏡での観測

すばる望遠鏡のドームは、風洞シミュレーションを経て設計されたもので、観測グループは観測装置を設置し、微調整を行い、観測計画に基づいて観測を行います。データはヒロ研究室に送られ、解析されます。

業務解説

- 観測所: 日本人およびアメリカ人スタッフが天体観測の実務を担当。
- 観測目的: 近赤外線～可視光線領域での精密観測、特に微光天体観測。
- 共同観測: 公募観測を実施し、共同観測を促進。
- 一般見学: 高山病のリスクのため、16歳以上を対象とした予約制見学を実施。
- 主鏡の蒸着: 望遠鏡の主鏡は数年に一度蒸着が必要なため、見学できない期間がある。
- 一般展示: イロミア天文学センターで実施。

外部リンク

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