国立広島原爆死没者追悼平和祈念館

国立広島原爆死没者追悼平和祈念館：平和への祈りを未来へつなぐ

広島平和記念公園の一角に佇む国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は、1945年8月6日、広島に落とされた原子爆弾によって犠牲になられた方々、そしてその後も被爆の影響で亡くなられた方々を慰霊し、世界平和を願って建立された国立施設です。2002年8月1日、広島平和記念公園内に開館したこの施設は、原爆死没者慰霊碑、広島平和記念資料館、レストハウスに隣接しており、アクセスも良好です。

建物の構造と展示内容

建築家の丹下健三氏によって設計されたこの建物は、地下2階建て。地下1階には、被爆に関する情報展示コーナーや被爆者の方々の体験記を閲覧できる閲覧室が設けられています。地下2階には、犠牲となられた方々を追悼する空間と、遺影が展示されたコーナーがあり、静謐な雰囲気の中で、深い哀悼の念を捧げることができます。

開館以来、多くの参拝者があり、2004年8月には入館者数50万人、2007年3月には100万人を突破するなど、多くの人々が平和への思いを新たにする場所として、広く利用されています。

平和への願いを伝える活動

この祈念館では、被爆者の方々の名前や遺影の登録を継続的に行っています。開館当初は4804人だった登録者は、2004年8月には1万人を超え、現在も増加を続けています。さらに、被爆体験記や追悼記の収集、在外被爆者の方々の証言ビデオの作成なども行い、貴重な記録を後世に伝えています。2008年度までに205人分の証言ビデオが作成され、館内での公開に加え、広島平和記念資料館を通じて貸し出しも行われています。

館内には、被爆者の方々の遺影の他、体験記や証言映像、そして広島の郷土史や原爆、平和に関する書籍などが収蔵・公開されており、来館者はこれらの資料を通じて、当時の惨状や平和の尊さを深く理解することができます。2020年には、被爆した16人のイエズス会外国人神父・修道士の方々の名前と遺影も登録されました。

2022年末から2023年春にかけては、企画展展示室の改装工事が行われ、リニューアルされた展示室では、より分かりやすく、そして深く平和について考えることができるようになっています。

アクセスと今後の展望

アクセスは広島平和記念公園に準じます。公共交通機関の利用が便利です。

国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は、過去を悼み、未来へ平和を繋ぐ重要な役割を担っています。今後も、被爆者の方々の記憶を継承し、世界平和への願いを未来へと届けていく活動を続けていくことでしょう。

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