国立文楽劇場

国立文楽劇場について

国立文楽劇場は、大阪府の中心地である大阪市中央区に存在する重要な文化施設です。この劇場は、独立行政法人である日本芸術文化振興会により運営されており、日本の伝統芸能である文楽の公演のほか、日本舞踊、邦楽、大衆芸能など様々な芸術イベントが開催されています。また、劇場は文楽の技術を伝承するための人材の育成にも取り組んでいます。

劇場の構成

国立文楽劇場は、753席を有するメインホールと、159席の小ホールから成り立っています。メインホールでは、文楽公演に際して特設の出語り床を設置し、731席で観客を迎え入れます。また、花道が設置される場合には677席となり、観客はより間近で迫力ある演技を楽しむことができます。小ホールでは、奇数月に落語、漫才、浪曲などの伝統的な演芸が楽しめる「上方演芸特選会」が行われています。

歴史的背景

国立文楽劇場のルーツは、第二次世界大戦前にさかのぼります。当初は松竹が運営していた文楽座が大阪で公演を行っていましたが、1963年に入ると、財団法人文楽協会のもとで新たに運営が始まりました。この時期から国立劇場の設置に関する要望が上がりましたが、実現には時間を要しました。1975年には大阪府と市が中心となり、文楽部門の調査を始め、最終的に1979年度以降には基本計画が進められ、1984年に国立文楽劇場は正式に開場しました。

建物の設計

劇場は鉄骨鉄筋コンクリート構造で、地下2階、地上5階から成ります。その建築面積は約3,924.874m²、延床面積は13,169.911m²に及びます。この劇場の設計は著名な建築家である黒川紀章が手掛け、特に公共建築賞の最優秀賞を受賞するなど、高い評価を受けています。場所は、大阪市立高津小学校の旧跡地に位置し、移転後はしばらくの間は更地が続きましたが、劇場開場を機に忘れがたい文化拠点へと生まれ変わりました。

アクセス

国立文楽劇場へのアクセスは非常に便利で、Osaka Metro日本橋駅や近鉄日本橋駅から徒歩わずか1分の距離にあります。この立地条件は、観客にとって大変ありがたいものです。

記念発行物

1984年4月6日には、劇場の開場を記念して、文楽人形をモチーフにした額面60円の記念切手も発行されており、この劇場の文化的な重要性を示す一つの証拠となっています。

国立文楽劇場は、日本の伝統芸能を支える大切な舞台として、これからも多くの観客に愛され続けていくことでしょう。

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