国立病院機構やまと精神医療センター

独立行政法人国立病院機構やまと精神医療センター

独立行政法人国立病院機構やまと精神医療センターは、奈良県大和郡山市に所在する専門医療機関です。その運営は独立行政法人国立病院機構によって行われています。かつては国立療養所松籟荘、さらには独立行政法人国立病院機構松籟荘病院という名称で知られており、長い歴史を持つ病院として、地域の医療に貢献してきました。現在、当センターは、政策医療における主要な分野である精神疾患、重症心身障害、そして長寿医療に特化した専門医療を提供しており、奈良県における精神医療体制の中核を担う重要な役割を果たしています。全国に多数の施設を有する国立病院機構の中でも、特に近畿地方においては、精神科を専門とする病院として唯一の存在であり、その専門性が高く評価されています。

専門性と機能

当センターが重点的に取り組んでいるのは、国が推進する政策医療分野のうち、精神疾患、重症心身障害、長寿医療の三つの領域です。精神疾患に対しては、病状の急性期から回復期、そして社会復帰を目指す段階まで、患者さん一人ひとりの状態に応じたきめ細やかな専門治療とケアを提供しています。また、重症心身障害を抱える方々への医療や、高齢化社会の進展に伴う高齢者の多様な医療ニーズに対応する長寿医療にも力を入れており、これらの分野において高度な専門医療を提供できる体制を整えています。奈良県の精神医療ネットワークにおいて、やまと精神医療センターは中心的な役割を担っており、他の医療機関では対応が困難な、より専門的な医療や複雑なケアを必要とする患者さんを積極的に受け入れています。加えて、当センターの精神病床の一部には、精神疾患に結核が合併している患者さんに対応するための特別な設備が整備されており、合併症を持つケースにおいても安全かつ適切な医療を提供できる機能を有しています。

沿革

やまと精神医療センターの歴史は、1940年（昭和15年）に「奈良県立療養所松籟荘」として創設されたことに始まります。創設当初は、当時の公衆衛生上の大きな課題であった結核の治療を主目的とする療養施設でした。第二次世界大戦後の1947年（昭和22年）には、厚生省へと移管され、「国立療養所松籟荘」となりました。その後、医学の進歩や公衆衛生の改善により結核患者が減少していく中で、施設の役割も見直され、1967年（昭和42年）には精神科の専門医療を提供する「精神療養所」へとその機能を転換しました。施設の運営形態も時代に合わせて変化し、2004年（平成16年）に独立行政法人制度が導入された際には、「独立行政法人国立病院機構松籟荘病院」として新たなスタートを切りました。そして、2011年（平成23年）4月1日には、現在の正式名称である「独立行政法人国立病院機構やまと精神医療センター」に名称が変更され、現在に至っています。この沿革は、当センターが設立以来、常に時代の医療ニーズに合わせて柔軟に対応し、その役割を進化させてきた軌跡を示しています。

診療科

当センターで診療を提供している主な診療科は以下の通りです。

精神科
心療内科
脳神経内科

これらの診療科を中心に、精神疾患をはじめ、心の健康や脳神経に関わる様々な病気に対して専門的な医療を提供しています。

指定・認定

やまと精神医療センターは、その提供する医療サービスの専門性と質が公的に認められ、様々な指定や認定を受けています。中でも特筆すべきは、医療観察法に基づく指定入院医療機関としての役割を担っている点です。これは、特定の精神障害により重大な他害行為を行った人々に対して、専門的な医療を提供し、社会復帰に向けた支援を行うための重要な制度に基づく指定です。これ以外にも、当センターは各種法令に基づく指定病院であると同時に、関連する医療分野における各学会の認定施設としても認められており、専門性の高さと信頼性が公的に裏付けられています。

交通アクセス

当センターへは、公共交通機関を利用してアクセスすることが可能です。

JR大和路線を利用される場合は、「大和小泉駅」で下車後、奈良交通バスに乗り換え、「松尾寺口」停留所で降りてください。
* 近鉄橿原線を利用される場合は、「近鉄郡山駅」で下車後、同様に奈良交通バスに乗り換え、「松尾寺口」停留所で降りてください。

いずれのルートも、「松尾寺口」バス停留所からは徒歩圏内です。

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