国立短期大学

国立短期大学の歴史と概要

国立短期大学（こくりつたんきだいがく）は、戦後の日本において、国によって設立・運営された教育機関です。この教育機関は、特に実務に役立つ技術や知識を短期間で学ぶことを目的としていました。国立短期大学の始まりは、1951年にさかのぼります。名古屋工業大学、京都工芸繊維大学、九州工業大学、長崎大学の4つの大学に附属する形で設立された実業系の夜間短期大学の4校が最初のケースです。

その後、国立短期大学は徐々に設置され、1967年には大阪大学から医療技術短期大学が新たに設立されるなど、医学部にも短期大学が併設されるようになりました。国立短期大学の中で、独立した短期大学としての設置も行われ、1958年には久留米工業短期大学、1960年には北見工業短期大学が設立され、以降も複数の短期大学が順次開校されていきました。

しかしながら、国立短期大学は設立と同時に、新設だけでなく他の形態への改組や統合が進められました。多くの短期大学が4年制大学に改編され、さらには高等専門学校に転換されるという流れも見られました。実業系の夜間短期大学は、4年制大学の夜間コースへと移行し、最後まで残った長崎大学商科短期大学部は2000年に廃止される運命を迎えました。

医療技術短期大学部も同様の運命を辿り、医学部への学科改組が進められ、1992年には岐阜大学の医療技術短期大学部が最後の新設ケースとなりました。その後、2003年までにすべての医療技術短期大学部が募集を終了し、2006年に残存していた4校が廃止されました。

そして、残存していた筑波技術短期大学と高岡短期大学もともに2005年度に学生募集を停止し、最終的に2009年度に廃止となったことで、日本における国立短期大学は完全に消失しました。

国立短期大学は、短期間で専門的な知識と技術を習得する場として、多くの学生に利用されていましたが、時代の変化に伴い教育体系が変容した結果、単独の短期大学はその役割を終えたと言えます。 これに関連する情報として、廃止された日本の短期大学一覧などがあります。国立短期大学の消滅は、日本の教育システムの変革の象徴とも言えるでしょう。

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