国立聾工科大学

国立聾工科大学概要

国立聾工科大学（NTID）は、アメリカのニューヨーク州ロチェスターにある、聴覚障害者を対象とした技術系大学です。この大学は、ギャローデット大学に次いで、聴覚障害者専用の大学として世界で2番目に設立されました。2005年度に1256人の聴覚障害学生が在籍しており、多様な学問の領域で教育を受けています。

国立聾工科大学は、私立のロチェスター工科大学の8つの学部の一つとして運営されており、その運営資金は全てアメリカ合衆国の国費から供給されています。現在の大学長は、アラン・ホーウィッツが務めており、彼は聴覚障害者として2人目の学長となります。初のろう者学長は、ロバート・ダビラであり、彼はかつて特殊教育リハビリテーション局の次官補を担っていました。

歴史と設立

この大学は、1965年に連邦議会法の承認を受けて設立され、1967年に正式に開校しました。1968年には第一期生が入学し、以来、聴覚障害者向けの職業訓練や教育を行ってきました。大学は、聴覚障害者が高等教育を受ける必要性に呼応して誕生し、社会で活躍するためのスキルを提供しています。

カリキュラムとプログラム

国立聾工科大学では、3年制の準学士プログラムが提供されています。選択できる学部には、会計学、経営学、応用コンピュータ学、応用光学、CADデザイン、コンピュータグラフィック、出版デザイン、そして科学検査や臨床検査のための理系研究所補助員などがあります。多様な職種に必要な知識と技術を身に付けることができます。

加えて、手話通訳者の養成コース（準学士・学士課程）や、ろう者向け中等教育教員養成修士課程（MSSE）も提供されています。これにより、聴覚障害者自身が教育者としての役割を果たすための道が開かれています。

職業と進路

卒業後は、希望する学生に対してロチェスター工科大学への編入の機会が設けられています。これにより、さらなる専門教育を受けることができ、幅広い職業選択肢が拓かれることになります。

国立聾工科大学は、聴覚障害者に特化した専門的な教育を通じて将来のキャリア形成を支援し、社会への貢献を促しています。特に、自分自身の経験を基にした教育やキャリアを希求する学生にとって、同大学は重要な学びの場となっています。

グローバルなつながり

日本の筑波技術大学と姉妹校の関係にあり、国際的に聴覚障害者教育に関する情報や経験を交換することが可能です。これにより、国際的な視野で学べる環境が整っています。

国立聾工科大学は、聴覚障害者に必要な技能と知識を提供し、社会での前進を応援する教育機関です。将来にわたってさらなる発展が期待されます。

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