国立銀行

国立銀行とは

国立銀行という言葉は、文脈によって異なる意味を持ちます。

1. 国家が設立した銀行：これは、政府が直接設立し、運営する銀行を指します。代表的な例として、以下のような銀行が挙げられます。
スウェーデン国立銀行：世界でもっとも古い中央銀行の一つとして知られています。
中国国立銀行：かつて存在した銀行で、ラッセル商会が設立に関与していました。

2. 特定の法律に基づいて設立された民間銀行：これは、特定の国の法律（多くの場合「国立銀行条例」のような名称）に基づいて設立された民間銀行を指します。この意味での国立銀行の代表例は、日本の明治時代初期に設立された国立銀行です。

日本の国立銀行 (明治)

日本の明治時代初期には、国立銀行条例（1872年制定）に基づいて多くの国立銀行が設立されました。これらの銀行は、政府の主導のもと、殖産興業政策を推進するための資金供給を担う役割を担いました。しかし、これらは国家が直接設立した銀行ではなく、民間資本によって設立された銀行でした。

国立銀行条例

国立銀行条例は、アメリカのナショナルバンク法をモデルとして制定されました。この条例の目的は、以下の点にありました。

不換紙幣整理
兌換制度確立
* 資本蓄積の促進

国立銀行の設立

国立銀行条例に基づき、各地に国立銀行が設立されました。第一国立銀行（後の第一勧業銀行、現在のみずほ銀行）が最初に設立され、その後、多くの国立銀行が設立されました。これらの銀行は、地域経済の発展に貢献しましたが、西南戦争の影響や不換紙幣の発行過多などにより、経営難に陥る銀行も現れました。

その後

その後、国立銀行条例は改正され、国立銀行は普通銀行に転換していきました。国立銀行という名称は消滅しましたが、その多くは現在も地方銀行や都市銀行として存続しています。

このように、国立銀行という言葉は、国家が設立した銀行を指す場合と、特定の法律に基づいて設立された民間銀行を指す場合があります。文脈に応じて、どちらの意味で使われているかを判断する必要があります。

もう一度検索