国立青少年交流の家

国立青少年交流の家は、文部科学省が所管する独立行政法人国立青少年教育振興機構が運営する、青少年向けの団体研修施設です。全国に13か所あり、かつては国立青年の家と呼ばれていました。青少年育成を目的として、学校やクラブ活動などの団体が宿泊研修や活動に利用できます。また、家族での利用も可能です。

沿革

1960年、皇太子（当時）のご成婚を記念して、静岡県御殿場市に国立中央青年の家が設置されたのが始まりです。その後、1976年までに全国で計13か所の国立青年の家が設立されました。

2001年には、国の組織から独立し、独立行政法人国立青年の家が設立されました。さらに2006年、同法人は他の青少年教育関連の独立行政法人と合併し、現在の独立行政法人国立青少年教育振興機構が発足しました。この際に、全国の国立青年の家は国立青少年交流の家に名称が変更されました。

概要

国立青少年交流の家は、青少年の健全な育成を目的とした団体宿泊訓練施設です。学校やクラブ活動での利用が主ですが、非営利団体であれば誰でも利用できます。宿泊費は無料ですが、シーツ代と食費は実費負担となります。

施設内には、ホテルにあるようなテレビ、冷蔵庫、電話などの設備は個室にはありません。風呂とトイレは共同です。団体行動を基本とするため、団体での研修活動に適した環境となっています。

通常の宿泊施設との違い

利用対象: 非営利の団体（2名以上）であれば誰でも利用可能です。個人での参加が可能な主催イベントもあります。ただし、営利目的や特定の政治・宗教団体が主催するイベントでの利用はできません。
オリエンテーション: 入所時に、施設概要や利用上の注意点について説明があります。
部屋設備: 個室にテレビ、内線/外線電話、電源コンセントはありません。照明、冷暖房スイッチ、館内放送用スピーカーのみ設置されています。スマートフォンの充電に必要な電源は各自で用意する必要があります。
食事: レストランなどの利用時間は限られており、団体での利用が基本です。食事は全てセルフサービスで、利用後は自分たちで清掃を行います。レストランは民間業者に委託されており、弁当の注文も可能です（10名以上の団体に限ります）。
売店: 管理研修棟内に売店があり、コピー、FAXサービス、生活用品、飲食物などを購入できます。売店の営業時間は施設ごとに異なります。
宿泊: 宿泊棟は原則として男女別室で、1人部屋はありません。部屋は和室（布団）と洋室（ベッド）の2種類があります。各階には団体代表者用のリーダー室があります。複数の団体が同じ階に宿泊することもあります。
つどい: 朝夕に「つどい」と呼ばれる集まりがあり、参加が原則です。健康観察、スケジュール確認、団体間の交流などを行います。つどいの場所は「つどいの広場」ですが、悪天候時は体育館などに変更されることがあります。
代表者打ち合わせ: 夕べのつどいの前に、団体代表者が集まって打ち合わせを行い、スケジュール調整などを行います。代表者は研修全日程への参加が義務付けられています。
入退所時間: 入所時間は9時から16時の間で、深夜帯は外出禁止となります。
生活時間: 起床、就寝、入浴時間も決められており、館内放送で案内されます。
研修内容: 研修内容は夏期と冬期で異なり、野外活動や室内活動が行われます。
費用: 宿泊費、備品貸し出しは無料ですが、シーツ代と食事代は実費負担です。2007年10月からは一般利用の場合、1泊につき250円、2012年7月からは800円の施設使用料が必要です。研修によっては材料費や指導料が別途かかる場合があります。キャンセル料も設定されています。
館内: 館内は土足厳禁の場合と、外履きで入館できる場合があります。施設によって異なります。
キャンプ場: キャンプ場が併設されている施設では、食中毒防止のため食材の持ち込みは禁止されています。キャンプ用品の貸し出しを行っている施設もあります。
研修室: 研修室には、ピアノや視聴覚機器が備え付けられており、無料で利用できます。インターネット回線がある施設もあります。
風呂・トイレ: トイレと風呂は共同です。風呂の男女区分は時間帯や利用状況によって異なります。シャンプーなどの備品は施設によって異なります。
洗濯機: 洗濯機と乾燥機は無料で利用できる場合と有料の場合があります。利用時間も決められています。
研修: 施設側で用意された研修や独自に設ける必要があります。海側の施設ではカッター訓練があります。
清掃: 共同部分や部屋は各自で清掃します。シーツ類は入所時に受け取り、退所時に返却します。
退所点検: 退所前には、施設職員による部屋の点検があります。
アンケート: 退所時に、施設の印象や感想などを記入するアンケートが配られます。
交通手段: 公共交通機関でのアクセスはタクシーのみの場合が多いです。事前予約で施設側の送迎を利用できる場合があります。

全国の施設

国立大雪青少年交流の家（北海道）
国立岩手山青少年交流の家（岩手県）
国立磐梯青少年交流の家（福島県）
国立赤城青少年交流の家（群馬県）
国立能登青少年交流の家（石川県）
国立乗鞍青少年交流の家（岐阜県）
国立中央青少年交流の家（静岡県）
国立淡路青少年交流の家（兵庫県）
国立三瓶青少年交流の家（島根県）
国立江田島青少年交流の家（広島県）
国立大洲青少年交流の家（愛媛県）
国立阿蘇青少年交流の家（熊本県）
国立沖縄青少年交流の家（沖縄県）

外部リンク

独立行政法人国立青少年教育振興機構

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