国立音楽院

国立音楽院：多様な音楽を自由に学ぶ

国立音楽院は、東京都世田谷区に本拠を置く音楽教育施設であり、高等学校の通信教育サポート校としての役割も担っています。その特徴は、学生が自身の興味や目標に合わせて自由に科目を選び、学習を進められる独自のシステムにあります。

名称の由来と概要

昭和42年（1967年）に音楽教室として国立市で設立されたことが、その名称の由来です。東京都立川市に本部を置く国立[[音楽大学]]とは、名称が似ていますが、資本や教育方針において全く関係はありません。

本科のほか、専門部、研究科、初等部、中等部、高等部を設け、学生は自身のライフスタイルや学習ペースに合わせて柔軟に学ぶことができます。前期・後期の2期制を採用しており、本科では原則2年間で卒業に必要な単位を取得します。さらに修学を希望する場合は、研究科に進んで1年間学ぶことも可能です。

入学試験は設けられておらず、音楽未経験者も多く入学します。そのため、2年間での成長が不十分な学生や就職活動がうまくいかなかった学生のために、研究科が受け皿としての役割も担っています。

多様な学生層と学習サポート

学生の年齢層は幅広く、小中学生から大学生、社会人、主婦など様々です。他の学校に通学したり、企業に勤務しながら学ぶ学生もいるため、週末に集中して授業を受けたり、履修期間を延長できる専門部などの制度を設けています。

高等部では、不登校の学生も積極的に受け入れています。通信制高校と連携し、音楽の授業に加えて一般科目の学習サポートも行い、高校卒業資格の取得を支援しています。中等部はフリースクールとして機能し、生徒は自分のペースで通学できます。出席状況や学習状況は中学校と共有され、音楽療育にも力が入れられています。

年末年始の5日間を除き、施設は常に学生に開放されています。専攻学科ごとに必修科目はありますが、他学科の科目も自由に履修することができ、学生は自分の都合に合わせて時間割を作成できます。

キャンパス情報

現在、校舎は東京都世田谷区の東京校、鳥取県の鳥取南部校、宮城県の宮城キャンパスの3ヶ所にあります。

鳥取南部校では、東京校と同じ授業内容を一部の科目で実施しており、関西圏だけでなく関東圏からも生徒を集めています。ただし、科目によっては東京校の授業をオンラインで受講する必要があったり、宣伝されているにもかかわらず実際には開講されない授業もあるため、注意が必要です。

宮城キャンパスは、音楽のまちづくりを推進する町が誘致し、平成29年4月に開校しました。

多彩な学科

本科および研究科では、以下のような学科を専攻できます。

リトミック本科
ピアノ演奏科
エレクトーン科
アートセラピー科
音楽療法学科
ピアノ調律科
ヴァイオリン製作科
ギタークラフト・リペア科
ドラムカスタマイザー科
管楽器リペア科
作曲アレンジ科
音響デザイン科
シンガーソングライター科
プロミュージシャン科
ウインドオーケストラ科
オペラ・声楽科
コンピュータミュージック科
弦演奏科
和楽科
アニソン声優科
ミュージカルバレエ部

このほか、初等部、中・高等部、専門部（1年制）があります。

沿革

昭和42年（1967年）3月：東京都国立市で音楽教室として設立
昭和60年（1985年）4月：渋谷桜丘校舎開校、5学科開設
平成6年3月（1994年）：渋谷鶯谷校舎に移転、11学科開講
平成7年4月（1995年）：17学科開講、生徒数400名を超える
平成11年8月（1999年）：トリニティ・カレッジ・オブ・ミュージックと提携開始
平成15年2月（2003年）：世田谷に校舎移転
平成18年12月（2006年）：KMA楽器リペア製作工房開設
平成21年1月（2009年）：高等部開設
平成25年4月（2013年）：鳥取南部校開校
平成29年4月（2017年）：アニソン声優科新設、宮城キャンパス開校
平成30年4月（2018年）：オペラ・声楽科、コンピュータミュージック科を新設
* 平成31年4月（2019年）：初等部を新設

備考

東京校の校舎は、フォーライフ・レコードの旧本社ビル・スタジオであり、2003年に購入されたものです。

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