国連砂漠化対処条約

国際連合砂漠化対処条約

国際連合砂漠化対処条約（UNCCD）は、砂漠化及び土地の劣化に対抗するための国際的な法律枠組みとして、1992年の国連総会で提案され、その後1994年にフランスのパリで正式に採択されました。条約は1996年12月に発効し、特に干ばつに苦しむアフリカの国々の持続可能な開発に寄与することを目的としています。現在までに197の国がこの条約に参加し、国際的な協力を通じて砂漠化の進行を食い止めるための努力をしています。

経緯

UNCCDの発足につながる経緯として、1977年に行われた国連砂漠化会議があり、そこで砂漠化防止の行動計画が採択されましたが、その後も土壌劣化は進行しています。1991年には、国連環境計画が砂漠化の悪化を報告し、その結果、1992年の地球サミットで新たな枠組みが必要とされることが決定。この会議では、特に干ばつや砂漠化に直面している国々への対策を盛り込んだ国際条約を設立することが合意されました。

その後、1994年にパリで条約が正式に採択され、1996年には法的効力を持ちました。現在、UNCCDは長期的な戦略を通じて、環境の持続性及び貧困削減に貢献することを目指しています。

目的と内容

この条約の主旨は、特に危機的な環境にあるアフリカの国々を対象に、砂漠化や干ばつの影響を軽減し、持続可能な開発を促進することです。具体的には、土地の生産性を向上させ、資源の回復や保全、持続可能な管理を行うことが求められます。地域の社会状況を改善するための長期的な戦略が必要不可欠です。

組織と会合

締約国会議（COP）がこの条約の最高意思決定機関であり、2年ごとに開催されています。これまでの会議では、各国からの報告や提案が行われ、具体的な行動計画が審議されています。UNCCDの事務局は1999年に設立され、ドイツのボンに本部があります。

条約の実施を支えるためには、以下の機関が設立されています。

• - 条約実施検討委員会（CRIC）: 各国から提出された実施計画の報告書を分析します。
• - 科学技術委員会（CST）: 科学的な助言を提供し、技術的な支援を行います。
• - グローバルメカニズム（GM）: 途上国への資金供与を支援する仕組みです。

この他、地球環境ファシリティ（GEF）も資金メカニズムとしての役割を担っており、条約の実施に必要な資金の供給を行っています。

締約国会議の歴史

1. 第1回締約国会議（COP1） - 1997年9月29日 - 10月10日、イタリア ローマ
2. 第2回締約国会議（COP2） - 1998年11月30日 - 12月11日、セネガル ダカール
3. 第3回締約国会議（COP3） - 1999年11月15日 - 26日、ブラジル レシフェ
4. 第4回締約国会議（COP4） - 2000年12月11日 - 22日、ドイツ ボン
5. 第5回締約国会議（COP5） - 2001年10月1日 - 12日、スイス ジュネーブ
6. 第6回締約国会議（COP6） - 2003年8月25日 - 9月5日、キューバ ハバナ
7. 第7回締約国会議（COP7） - 2005年10月17日 - 28日、ケニア ナイロビ
8. 第8回締約国会議（COP8） - 2007年9月3日 - 14日、スペイン マドリッド
9. 第9回締約国会議（COP9） - 2009年9月21日 - 10月2日、アルゼンチン ブエノスアイレス
10. 第10回締約国会議（COP10） - 2011年10月10日 - 21日、韓国 昌原
11. 第11回締約国会議（COP11） - 2013年9月16日 - 27日、ナミビア ウィントフック
12. 第12回締約国会議（COP12） - 2015年10月12日 - 23日、トルコ アンカラ

このように、UNCCDは世界中の様々な国々が集まり、砂漠化を防ぐための具体策を協議する重要なプラットフォームを提供しています。

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