砂漠化

砂漠化とは

砂漠化（さばくか）とは、かつて植生が豊かであった地帯が、次第に植物が育成できない不毛な土地に変わる過程を指します。この現象は単に乾燥した地域だけでなく、様々な要因で植物育成不適合な土地となり得ることを示しており、例えば、雨が多すぎて土壌が流されてしまったり、適度な水分があっても土壌の塩分濃度の上昇や低温、流砂の影響で砂漠化が進行します。

また、砂漠化は自然環境に由来する変化もありますが、人間の大規模農業活動が原因である場合も多く、こうした地域では気候の変動や土壌流出によって地表構造が損なわれ、植生の回復が困難になることが多いのです。

砂漠化の種類

砂漠化の過程は、それぞれ異なりますが、主なものには以下があります。

土壌流出

土壌流出は、雨や洪水によって養分を含む土壌が流される現象です。この結果、保水性を持つ土壌が失われてしまい、農作物の育成が難しくなります。インドや中東、黄土高原などで見られる現象です。特に雨量が多い場所での焼畑農業も、土壌の流出を引き起こす要因となります。

塩性化

塩性化は、土壌中の塩分が過剰になり、植物が育ちにくくなる現象です。蒸散等により土壌から水分が失われ、地表に塩が集積しやすくなります。この塩の影響で耕作困難な土地となり、農業が行えなくなる地域も多く存在します。中央アジアのアラル海周辺などがその例です。

流砂・飛砂

砂漠の周囲から砂が流れ込み、干ばつ地帯が新たな砂漠の一部に変わる現象です。この場合は比較的簡単に再生が可能であり、主に防砂対策が取られます。

自然及び人為的要因

サハラ砂漠のような地域では、約2万5,800年ごとの地軸の変動が降雨パターンに影響を与え、乾燥化を引き起こすことがあります。 これに伴い、メソポタミアやエジプトでは、農業の始まりと共に森林伐採や過剰農業が行われてきました。

これにより、土壌が枯渇し、洪水が発生しやすくなり、さらに灌漑による土壌の塩性化を招く事例が見られます。このような問題はアフリカ、中東、インダス川流域でも観察されます。

一方で、環境問題に直面するモザンビークや、中国の大躍進政策の失敗やソ連における自然改造計画がアラル海問題の引き金になっていることを考慮すると、農業政策や土地利用がどのように砂漠化に寄与しているか、各国での状況を見直す必要があります。

砂漠化の対策と緑化

砂漠化を防ぐための活動としては緑化が挙げられます。元々砂漠である地域を緑化することを「砂漠緑化」と呼び、緑を取り戻す努力が進められています。最近では、さまざまなプロジェクトや国際的な協力も行われ、砂漠化対策に向けた取り組みが活発化しています。 これにより、持続可能な農業への移行や、気候変動への適応が求められる中、個々の地域がどのように行動していくかが大切です。

各国の取り組みや成果を元に、持続可能な農業と環境保全を両立させるための情報を広めていくことが、私たちの未来にとって重要でしょう。

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