国連防災世界会議

国連防災世界会議：災害リスク軽減に向けた国際協調の取り組み

国連防災世界会議（WCDRR）は、国連が主催する国際会議です。世界中の国々が集まり、災害リスクの軽減に向けた戦略や対策について議論する場として、およそ10年ごとに開催されています。会議の事務局は、国連[[防災機関]]（UNDRR）が務めており、国連加盟国がほぼ全て参加する大規模な国際会議です。

会議の目的は、各国が取り組むべき防災や減災対策の指針を策定し、国際的な枠組みを構築することにあります。過去の会議では、具体的な行動計画やガイドラインが採択され、世界各国の防災対策に大きな影響を与えてきました。

歴史と開催地

最初の会議は1994年、横浜市で開催されました。この会議では、「より安全な世界に向けての横浜戦略」が採択され、国際的な防災協力の礎が築かれました。

2005年には神戸市で第2回会議が開催され、横浜戦略の見直しと、2005年から2015年までの防災施策に関するガイドラインである「兵庫行動枠組」が策定されました。この会議の開催地である神戸市は、1995年の阪神・淡路大震災の被災地であり、その経験を活かした防災対策の重要性が改めて認識されました。

第3回会議は2015年、仙台市で開催されました。東日本大震災からの復興途上にある仙台市での開催は、世界に日本の防災対策への取り組みを示す機会となりました。この会議では、2016年から2030年までの防災に関するガイドラインである「仙台防災枠組」が採択されました。仙台防災枠組は、災害による死亡者数や被災者数の削減目標を盛り込み、より具体的な防災対策の推進を促しています。会議には187か国から約6500人が参加し、関連イベントを含めると延べ15万人以上が参加するなど、過去最大規模の国際会議となりました。

これらの会議では、自然災害への対策だけでなく、近年増加している複合災害への対応や、気候変動との関連性なども議論されています。

各会議の成果

各会議では、具体的な成果として以下の様なものが挙げられます。

横浜戦略(1994年): 自然災害の防止と備え、減災に関するガイドライン
兵庫行動枠組(2005年): 横浜戦略の見直し、2005年から2015年までの防災に関する施策のガイドライン
* 仙台防災枠組(2015年): 兵庫行動枠組の見直し、2016年から2030年までの防災に関するガイドライン、災害による死亡率や被災者数の削減目標

これらの枠組みは、各国政府や国際機関による防災政策の策定や実施に大きな影響を与え、世界的な防災意識の向上に貢献しています。

今後の展望

国連防災世界会議は、今後も継続して開催され、災害リスク軽減に向けた国際協調を促進していく役割を果たしていくでしょう。気候変動や人口増加など、新たな課題も増えているため、今後の会議では、これらの課題を踏まえた上で、より効果的で持続可能な防災対策のあり方が議論されると考えられます。また、先進国と途上国との間の技術協力や資金支援についても、重要な議題となるでしょう。

国連防災世界会議は、災害リスク軽減という地球規模の課題に立ち向かうための重要な国際協力の場であり、その成果は世界の防災対策の進展に大きく貢献しています。

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