国連防災機関

国連防災機関（UNDRR）

国連防災機関（United Nations Office for Disaster Risk Reduction、略称UNDRR）は、1999年に設立された国際連合の一部として機能する機関です。その本部はスイスのジュネーヴに位置しています。UNDRRは、もともと国連国際防災戦略事務局（UNISDR）という名称で知られていましたが、2019年5月1日に新たに改名され、現在の名称で活動しています。

設立の背景と経緯

国連総会は1990年代を「自然災害軽減のための国際的な10年（International Decade for Natural Disaster Reduction、IDNDR）」と定めました。これに伴い、国際防災戦略（ISDR）が策定され、国連の国際的な防災活動の基盤が形成されました。特に2005年から2015年までの間は、「兵庫行動枠組2005-2015」がその基本文書として位置付けられていました。さらに、2015年以降は「仙台防災枠組2015-2030」が国際的な防災の指針として策定され、この枠組みの推進を担う役割を果たしています。

2000年には国連総会決議54/219を受けて、国際防災の十年（IDNDR）の後継機関として設立され、初期には防災タスクフォースの事務局として機能していました。その後、2005年に開催された第2回国連防災世界会議で兵庫行動枠組が採択され、国際的な防災活動を強化するための新しい組織構造が確立されました。2007年には防災グローバルプラットフォームが設置され、UNDRRはその中心的な役割を担うようになりました。

任務と活動内容

国連ISDRの任務は、2001年の国連総会決議56/195に明記されています。具体的には、「国連システム内での防災調整の窓口」として機能し、加えて地域機関との連携を確保する役割も果たしています。任務には、以下の5つの主要な役割が含まれています。
1. 兵庫行動枠組の推進
2. 防災意識の醸成と情報共有
3. 防災グローバルプラットフォームの支援
4. 国連システム内での防災政策の窓口
5. 国連防災基金の管理

特に、仙台防災枠組2015-2030では、災害リスクの理解とガバナンス強化、投資によるレジリエンス向上、災害対応の準備強化を軸に4つの優先行動が設定され、2030年に向けた7つの具体的なターゲットが掲げられています。これらの取り組みは、災害による死傷者数の減少、防災戦略の策定、国際的な支援の強化、多様な早期警戒システムの整備など、多岐にわたります。

結論

国連防災機関（UNDRR）は、国際的な防災活動の中核を担い、世界各国での災害リスク軽減を目指して多様な戦略を展開しています。災害リスクを削減するための国際的な協力や政策の調整を進めることで、生命や財産を守るための基盤を強化し続けています。

もう一度検索