国道433号

国道433号：瀬戸内海から中国山地へ至る道

国道433号は、広島県を東西に横断する全長約124kmの一般国道です。広島県南西部の瀬戸内海に面した大竹市から、中国山地を越えて北東部の三次市までを結んでいます。瀬戸内海沿いの穏やかな風景から、山間部の険しい地形へと変化に富んだルートが特徴です。

路線概要

起点である大竹市では国道2号と、終点の三次市付近では国道375号と重複しています。しかし、その大部分は中国山地の山間部を縫うように走り、廿日市市、広島市佐伯区、山県郡安芸太田町、北広島町、安芸高田市と三次市を結んでいます。

このルートには、七曲峠（標高560m）、鶉木峠、二重谷峠（標高470m）など、道幅が狭く、対向車とのすれ違いが困難な箇所が多数存在します。特に、豪雨などの悪天候時には通行止めとなることも珍しくありません。そのため、安全性の向上のため、加計豊平バイパスなどの道路改良工事が現在も進められています。

沿線の地理と歴史

国道433号は、内陸の山間部を通り、古くからの集落や田園風景が広がっています。特に、三次市付近では江の川沿いを走り、かつて存在した三江線の廃線跡も確認できます。また、各集落では独特の石垣なども見られ、歴史を感じさせる風景が広がっています。七曲峠付近からは、瀬戸内海を眺望できる絶景ポイントもあります。

国道433号は1982年（昭和57年）に一般国道として指定されました。以来、地域の交通を支える重要な役割を果たしていますが、山間部の厳しい自然環境により、道路整備は常に課題となっています。

重複区間とバイパス

国道433号は、いくつかの国道と重複区間を持ちます。大竹市から廿日市市までは国道2号と、三次市付近では国道375号、国道54号と重複しています。また、途中では国道191号、国道261号、国道434号と一部重複する区間もあります。

通行の安全性を高めるため、加計豊平バイパスをはじめとするバイパス整備が進められており、現在も改良工事が継続されています。

道路施設

国道433号沿いには、数多くの橋梁やトンネルが存在します。代表的な橋梁としては、妹背橋、新神路橋、安永橋、式敷大橋、日山橋、巴橋などがあります。トンネルでは、八坂山隧道、下五原トンネル、百々山隧道、鳴瀬清流トンネル、日下わかあゆトンネルなどが挙げられます。これらは、山間部の地形を克服するために建設された重要な施設です。

交通量と通行規制

国道433号の交通量は、区間によって大きく異なります。山間部では交通量が少なく、一方、市街地付近では交通量が多くなります。冬季には、山間部の一部区間で積雪による通行止めとなる場合があります。

まとめ

国道433号は、瀬戸内海沿いの穏やかな風景から、中国山地の険しい山間部へと変化に富んだルートを持つ一般国道です。沿線の自然や歴史に触れながら、ドライブを楽しむことができますが、通行の際には道路状況や天候に十分注意し、安全運転を心がけることが大切です。特に、狭隘区間や急カーブが多く存在するため、大型車の通行は困難な区間もあります。 最新の道路情報を確認し、安全なルートを選択することが重要です。

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