国鉄クル29形電車

クル29形電車の概要

クル29形は、かつて日本国有鉄道（以下、国鉄）に所属していた旧型電車の一つです。この車両は、1959年6月1日から施行された車両形式称号規程の改正によって誕生しました。具体的には、片運転台の17メートル級の事業用制御車であり、主に配給車としての役割を果たしました。

車両の製作と特徴

1958年から1965年にかけて、8両が製作され、元々のクハ16形およびサハ17形から改造されました。これらの車両は、改番される前にはクル9500形という名称で呼ばれていました。特に注目すべきは、そのL字形の車体であり、後部は無蓋化されているのが特長です。

番号区分と改造の詳細

クル29形の番号区分は以下の通りです。

クル29000 - 29002

1958年にクハ16形200・250番台から改造され、最初に製作された3両です。これらは、最初はクル9500 - 9502と呼ばれていました。これらの車両には、前位の運転台に続いて有蓋室が設けられ、無蓋部は鋼製のあおり戸で構成されています。荷重については、無蓋部で10トン、有蓋部で2トンとなっています。

クル29003

1965年に製作されたクル29003は、クハ16形250番台から改造されました。この車両は29000 - 29002とほぼ同型ですが、無蓋部は低い鋼製のあおり戸が付き、前面には新たに貫通扉が追加されました。また、前面窓と戸袋窓はHゴム支持に変更されています。

クル29004, 29005

同じく1965年、サハ17形100番台を改造して製作されたのがクル29004と29005です。これらも29000 - 29002と似た構造ですが、運転台が新しく追加されたため、前面にリベットが見られず、前面窓と戸袋窓がHゴム支持となっています。戸袋の向きは、改造前のサハ17形に基づいており、他のグループとは逆になっています。

クル29020, 29021

1963年にクハ16形0番台から改造されて製作されたのがクル29020と29021です。旧31系の改造車として番号は20番台に割り当てられ、無蓋部は低い鋼製のあおり戸で、前面窓はHゴム支持となっています。

まとめ

クル29形電車は、その独特なデザインと改造による多様性で、国鉄時代の重要な車両といえます。これらの車両は、鉄道ファンにとっても興味深い存在であり、当時の技術やデザインの進展を示す好例です。国鉄の他の車両形式とも照らし合わせながら、その歴史を振り返るのも一興です。

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