国鉄ツ1000形貨車

国鉄ツ1000形貨車について

国鉄ツ1000形貨車は、日本の鉄道史においてかつて存在した有蓋貨車で、通風車の一種です。この貨車は日本国有鉄道（国鉄）及びその前身である鉄道省にて活躍していました。ツ1000形貨車は1935年度から1936年度にかけて、鉄道省の工場で改造されて製造されました。

ツ1000形の概要

ツ1000形貨車は、元々存在していたカ1形やカ500形という車両を改造して生まれたもので、最大積載量は10トンです。この形式の車両は、合計で146両が製造され（ツ1000からツ1145まで）、それぞれの年度における製造数は異なります。

製造数

• - 昭和10年度（1935年度）: 46両

- 大井工場: 10両（ツ1000 - ツ1009）
- 新小岩工場: 5両（ツ1010 - ツ1014）
- 長野工場: 5両（ツ1015 - ツ1019）
- 鷹取工場: 15両（ツ1020 - ツ1024、ツ1030 - ツ1039）
- 多度津工場: 1両（ツ1025）
- 西鹿児島工場: 5両（ツ1040 - ツ1044）
- 五稜郭工場: 5両（ツ1045 - ツ1049）

• - 昭和11年度（1936年度）: 100両

- 名古屋工場: 28両（ツ1026 - ツ1029、ツ1050 - ツ1073）
- 長野工場: 5両（ツ1074 - ツ1078）
- 松任工場: 30両（ツ1079 - ツ1108）
- 吹田工場: 10両（ツ1109 - ツ1118）
- 後藤工場: 10両（ツ1119 - ツ1128）
- 幡生工場: 5両（ツ1129 - ツ1133）
- 盛岡工場: 7両（ツ1134 - ツ1140）
- 土崎工場: 5両（ツ1141 - ツ1145）

車両の仕様

ツ1000形貨車の塗装は黒色で、全長は7,050 mm、全幅は2,400 mm、全高は3,395 mmです。また、軸距は3,600 mmであり、自重は6.3トンから7.8トンの間にあります。換算両数は積車が1.6、空車が0.8、および最高運転速度は65 km/hとされています。車軸は10トン軸が装備されていました。

老朽化と廃車

この形式の貨車は改造から約20年後に老朽貨車として対象となり、1952年6月26日付けの通達（車管第1232号）により、その廃車が告示されました。当時の所持車両数は90両でした。最終的にこの貨車の最後の在籍車両は1954年に廃車され、これにともないツ1000形は形式として消滅しました。

参考文献

本記事に関する詳細な情報は、貨車技術発達史に関する書籍に記載されています。『日本の貨車-技術発達史-』（貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年）を参照してください。

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