国鉄トキ1形貨車

国鉄トキ1形貨車について

国鉄トキ1形貨車（こくてつトキ1がたかしゃ）は、1909年に日本で初めて製造された大型無蓋貨車です。これは鉄道省など国鉄の前身が管理していたもので、当時の貨物輸送に革命をもたらす重要な存在でした。

概要

トキ1形は、汽車製造によって5両が製作された汎用二軸ボギーの無蓋車であり、最大積載量は25トン（石炭荷重15トン）です。製造当初、この貨車はムボ1001形（1001-1005）として知られており、その後1911年にはフオト6199形、さらにオト6199形へと名称が変更されました。そして1928年にはトキ1形（トキ1-トキ5）として現在に至っています。

何故このような大型貨車が当時の日本で作られたかは謎が多いものの、当初は大物車のように特別な役割を担っていました。多くは小野浜（後の神戸港）や海舞鶴で使われていました。当時、同じような大型ボギー車としてはホテワ1形（後のテキ1形（初代））も存在し、こちらも少数が製造されました。

車両構造

トキ1形貨車の構造は、一般的な二軸無蓋車とは異なり、木製の4枚側で構成されており、前後には部分あおり戸が設けられています。全体的に側板の高さは当時の貨車とほぼ同じでしたが、幅は約2インチ広く設計されています。また、台枠はトラス棒式で、内部には2本のトラス棒が配置されています。台車に関しては、軸距が5フィート（1524 mm）の二軸の菱形台車（後にTR15形に類別）を使用していました。

製造当初は空気ブレーキが装備されていなかったため、その後に貫通ブレーキ管を取り付けましたが、ブレーキシリンダーを最後まで搭載することはありませんでした。そのため、後年は自車ブレーキなしとして「＋」の記号が付けられ、稼働し続けました。晩年は木材の輸送に用いられ、1949年度には形式が消滅しました。

性能及びスペック

トキ1形貨車の荷台の内寸は、長さ9,373 mm、幅2,311 mm、側板の高さは711 mm、容積は14.9 m³です。その他の主要な諸元には、全長が10,131 mm、全幅が2,489 mm、全高が1,791 mm、台車の中心間隔が6,706 mm、自重が10.13 tから10.39 tまでと、比較的大きなサイズを誇ります。

以上のように、国鉄トキ1形貨車はその大きさと役割から、多くの貨物輸送に貢献した歴史的な存在と言えるでしょう。今でも国鉄の中央に位置する貨車群の一つとして、その名を残しています。

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