国鉄ホキ800形貨車

国鉄ホキ800形貨車の概要

国鉄ホキ800形貨車は、日本国有鉄道（国鉄）が1958年から1974年にかけて製造した30トン積のホッパ車です。この貨車は、砕石（バラスト）を散布するための特別な構造を持ち、事業用として分類されることから、実際の用途は営業用貨車というよりも、主に軌道保守車両に近いとされています。

ホキ700形との関係

ホキ800形は、1957年から登場したホキ700形の改良型で、国鉄のさまざまな工場や企業が協力して製造されました。具体的に述べると、ホキ700形は55両作られ、特に砕石を外側に散布できるように設計されています。これに対してホキ800形では、保守作業の効率を向上させるため、内側と外側の両方、さらには遠近の3方向から散布可能な設計に改められました。

製造状況

ホキ800形は、合計で1,066両が製造され、製造時期は1958年から1974年までの間に広がります。各年度ごとには次のような内訳があり、初年度にはわずか2両、次第に年々増加していきました。たとえば、1962年度には210両、1963年度には220両が製造されました。また、これらの貨車には新幹線用として931形や936形も含まれており、933-7から934-34までの形式がホキ800形に編入されたことが特徴的です。

主な特徴

ホキ800形の特徴として、全長は12,800 mm、幅は2,742 mm、高さは2,900 mm、台車の中心間距離は9,200 mmで、実容積が18 m³、自重は17トンという仕様が挙げられます。また、この貨車はリニューアル後、台車の種類も変更されています。オホキ1773以降のモデルでは、デッキが広がり、全長が500 mm延長されると同時に、新たにTR225という台車が搭載されています。

利用状況

1987年に国鉄が分割された際、ホキ800形貨車は各新会社に分配されました。具体的には、JR北海道、JR東日本、JR東海などがそれぞれの目的のために使用しており、現在でも保線や工事のために稼働しています。2021年4月1日現在、JR東日本とJR西日本には合計145両が在籍していることが確認されていますが、そのほかのJR各社は所有していたホキ800形のすべてを除籍しています。

派生形式と改造

ホキ800形は、931形、936形などの派生形式も製造されており、931形は新幹線の軌道敷内でのバラスト散布のために開発されました。また、937形の3両は、氷害対策として散水用に改造されたタンク車へと変更されています。

譲渡と多様な利用

ホキ800形は、国鉄民営化以降、私鉄などに譲渡されることが多く、弘南鉄道や八戸臨海鉄道、小坂精錬小坂鉄道など、様々な鉄道事業者が保有しています。これにより、バラストの輸送・散布といった用途で活用され、地域の物流やインフラ保全に貢献しています。

保存車

また、いくつかのホキ800形貨車は保存されており、鉄道ファンにとって貴重な歴史的遺産となっています。たとえば、ホキ746は北海道三笠市の公園に保存され、その他の車両も地域のスポットで見ることができます。

ホキ800形は、その用途の特殊性から多様な改良が施され、時代を超えて現在にも先人の作業を支え続けている貨車です。

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