国鉄ワ21000形貨車

国鉄ワ21000形およびワ21100形貨車の概要

国鉄ワ21000形貨車は、かつて鉄道省で運行されていた有蓋車で、主に物資の輸送に使用されていました。また、同時期に存在したワ21100形も同様の歴史背景を持ち、これらの車両は日本の鉄道貨物輸送の発展に寄与しました。

ワ21000形の歴史

ワ21000形は、1928年5月に実施された車両称号規程の改正を受けて登場しました。以前の形式名であったワ19700形は、越後鉄道が1918年に天野工場で製作したもので、鉄道省が越後鉄道を買収した後、その35両が国有化され、新たに形式名が付与されたのです。これにより、ワ19700形は国鉄の一部として運行されました。

ワ21000形は1935年2月から1937年3月にかけて、15両が名古屋工場と金沢工場でパ100形に改造され、これに伴い車両番号が変更されました。さらに、1942年12月から1943年2月にかけて、残りの20両がヤ300形という二軸救援客車に改造され、結果的にワ21000形は形式消滅しました。

この貨車の基本的な寸法は、全長が7,625 mm、全幅が2,496 mm、全高が3,257 mm、実容積は30.5 m³、自重は6.6 tで、車体は黒色で塗装されていました。

ワ21100形の歴史

一方、ワ21100形は同じく1928年5月に、ワ19880形から名称が変更されて登場しました。ワ19880形は1915年に大宮工場で製造され、初めはシワ115形という形式名であったことから、その発展の過程がわかります。1916年には7両が改造を受けシワ100形に改名され、その後残りの17両がワ19880形として運行されることになりました。

ワ21100形は1930年にク50形から7両が改造され、ワ21100形に統合されました。この貨車の寸法は、全長が7,843 mm、全幅が2,635 mm、全高が3,842 mm、実容積は36.6 m³、自重は6.55 tから8.68 tです。やはり、車体色は黒一色の統一されたスタイルが特徴です。

ただし、1950年には「第二次貨車特別廃車」として廃車対象に指定され、以後の廃車手続きの中で実際の車両と台帳の記録が一致せず、最終的には1959年に全車両の廃車が確認されました。

結論

国鉄ワ21000形とワ21100形貨車は、日本の鉄道史において重要な役割を果たした車両であり、その歴史を知ることで、当時の貨物輸送の状況を振り返ることができます。これらの貨車は、鉄道の技術進歩や、物流の発展とともにその位置を確立していったのです。

参考文献

• - 車輛形式図 貨車上巻 鉄道省工作局 復刻 鉄道史資料保存会
• - 渡辺 一策『RM LIBRARY 83 車を運ぶ貨車（上）』（初版）ネコパブリッシング、2006年。ISBN 4-7770-5172-2。
• - 貨車技術発達史編纂委員会 編「日本の貨車―技術発達史―」2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊

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