国鉄ワ21300形貨車

国鉄ワ21300形貨車について

国鉄ワ21300形貨車は、鉄道省に属していた13トン積みの有蓋車で、1933年に登場しました。この形式は、同時期に国有化された複数の私鉄から編入された貨車の一環として誕生しました。特に、芸備鉄道からの編入がきっかけとなり、ワ21300形とワ21400形が新たに形式名として付与されました。

概要

1933年6月1日、芸備鉄道が備後十日市駅から備後庄原駅間を鉄道省に買収した際、42両の有蓋車がその船旅に編入され、鉄道省車籍に移行しました。これらの車両は、形式名としてワ21300形やワ21400形が与えられました。さらに、1937年には広島駅から備後十日市駅間も追加購入され、41両の貨車が鉄道省に加入しましたが、その中にはワム1形へ編入された車両も存在しました。

この時期、多くの私鉄が国有化され、さまざまな貨車が鉄道省の車籍に編入されましたが、必ずしも全車両が形式名を改められたわけではありません。改番されなかった理由の一部には、形式両数が少なく、積載荷重が10トン以下である小型車両に該当していたことや、構造的に鉄道省の車両とは異なる特徴を持っていたことなどがあります。改番せずに旧形式のまま運用された車両は、一般的に地域限定の運用が行われ、その後数年で廃車または他形式への改造が行われ、最終的には形式が消滅しました。

ワ21300形の詳細

ワ21300形には、初期に改編された車両が含まれます。具体的には、ワ36からワ42までの7両に形式名が与えられ、約4年後にはワ33からワ35が追加されてワ21307からワ21309として運用されました。最終的に、合計10両がこの形式で運用されましたが、1942年から1943年にかけて全車両がヤ300形（二軸の救援客車）に改造され、結果として形式が消滅することとなりました。

車体の塗装は黒色で、全長は7,786mm、全幅は2,667mm、高さは3,461mm、実容積は32.91m³、自重は7.47t、換算両数は積車1.6、空車0.8というスペックを持っていました。

ワ21400形の詳細

一方、ワ21400形はワ43からワ77の総計45両がこれに該当します。約4年後のワ78からワ87もこの形式に編入されました。塗色は黒一色で、寸法はワ21300形と似ており、全長は7,786mm、全幅は2,740mm、高さは3,365mm、実容積は32.94m³、自重は6.90t、換算両数は同じく1.6と0.8でした。1950年には「第二次貨車特別廃車」の対象となり、1953年には最後まで在籍した車両が廃車となりました。

譲渡とその後

1949年には、ワ21436が十勝鉄道へ譲渡され、その後1951年には秩父鉄道に6両、1953年には夕張鉄道に3両が譲渡されました。これらの譲渡を通じて、国鉄の貨車は他の鉄道会社との連携が強まり、名残の一部を残すこととなりました。

参考文献

• - 車輛形式図 貨車上巻 鉄道省工作局 復刻
• - 鉄道史資料保存会
• - 「日本の貨車―技術発達史―」2008年、日本鉄道車輌工業会
• - JAPAN RAIL CLUB 『RAIL FAN No.665』 2008年3月
• - JAPAN RAIL CLUB 『RAIL FAN No.672』 2008年9月

このように、国鉄ワ21300形貨車は日本の鉄道史の中で重要な役割を果たしてきた存在であり、数十年にわたるその運命を知ることができます。

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