国鉄千葉動力車労働組合

国鉄千葉動力車労働組合（動労千葉）

国鉄千葉動力車労働組合、略称動労千葉（どうろうちば）は、日本の労働組合です。JR東日本千葉支社、JR千葉鉄道サービス(CTS)などの労働者で構成され、中核派の影響下にあるとされています。組合本部は千葉県千葉市中央区に置かれ、田中康宏委員長、川崎昌浩書記長らによって運営されています。組織規模は13支部、組合員数は諸説ありますが、近年は減少傾向にあります。機関誌として『動労千葉』を発行しています。

歴史

動労千葉は、国鉄動力車労働組合（動労）千葉地方本部から1979年に分離独立しました。その背景には、成田空港建設問題における三里塚闘争への関与、水本事件への対応、そして動労本部との路線対立など、複雑な要因が絡み合っています。特に1970年代、新左翼運動の高まりの中で、動労本部と千葉地本の間で激しい対立が勃発、最終的に千葉地本は動労から除名され、独立せざるを得ない状況に追い込まれました。

国鉄分割民営化後も、動労千葉はJR東日本と対立を続けました。国鉄労働組合（国労）と同様に反対運動を展開した結果、民営化後もJR東日本との間では労働協約が締結されていません。1985年には、中核派による国電同時多発ゲリラ事件が動労千葉のストライキ当日発生し、組合の活動が社会的に大きな注目を集めました。この事件を巡っても、動労本部との対立は深まりました。また、1986年には、2度にわたるストライキ実施により、多くの組合員が解雇される事態となりました。

その後も、動労千葉はJR東日本の車両保守部門の外注化、運転士の配置転換、ワンマン運転導入などに反対する闘争を展開し続けています。これらの争議行為は、しばしば列車の遅延や運休を招き、地域住民からの反発を買うことにもなりました。

1996年には、1985年と1986年のストライキで解雇された組合員との間で和解が成立し、一定の解決を見ました。しかし、その後も組合は活動を続け、近年では動労総連合という組織を形成し、他の地域労組と連携して活動しています。

組合員数と組織

動労千葉の組合員数は、公表される数値にばらつきがあります。動労総連合全体の組合員数は、JR各社の有価証券報告書によると、ごく少数となっています。しかし、これは再雇用者やグループ会社への出向者などを含んでいない可能性があり、実際の組合員数は報告されている数値よりも多いと推測されます。2016年の労働組合基礎調査では動労総連合全体の組合員数が339名で、動労千葉は296名と報告されています。

動労総連合には、動労千葉以外にも複数の労働組合が加盟しています。これらは、国鉄分割民営化後、国労内における派閥抗争などを受け、各地で結成された中核派系の地域労組が中心です。

JR東日本の対応

JR東日本は、動労千葉のストライキや抗議活動に対して、様々な対応を迫られてきました。車両基地の移転、保守部門の外注化などは、コスト削減や効率化の一環として行われた面もありますが、動労千葉の活動を抑制するための措置という見方もあります。動労千葉はこれらの措置を批判し、労働条件の悪化や安全性の低下を招くと主張しています。

現状と課題

現在も動労千葉は、JR東日本との間で様々な問題を抱えています。組合の主張は必ずしも地域住民の支持を得ているわけではなく、その活動内容については賛否両論があります。今後もJR東日本との間の対立は続くものと予想されます。

まとめ

動労千葉は、日本の労働運動史において特異な存在です。その歴史、活動、そしてJR東日本との関係は、日本の労働問題、そして社会運動を考える上で重要な事例と言えるでしょう。今後も動労千葉の動向に注目していく必要があります。

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