国鉄1500形蒸気機関車

1500形蒸気機関車の歴史と性能

1500形は、日本の鉄道史において重要な役割を果たしたタンク式蒸気機関車です。この機関車は、かつて日本国有鉄道、具体的にはその前身である鉄道院に所属していました。その成り立ちは、1906年に制定された鉄道国有法によるもので、九州鉄道からの割合で改良を加えた形で引き継がれたものです。

機関車の概要

1500形は、車軸配置が0-6-0(C)の単式2気筒、飽和式のタンク機関車で、全体で4両が存在しました（1500から1503まで）。その起源を辿ると、1898年に唐津興業鉄道がスイスのスイス・ロコモティブ・アンド・マシン・ワークス（S.L.M.）から輸入した機関車に遡ります。これらは当初「1 - 4」として知られていましたが、後に九州鉄道によって186形（186 - 189）に改称されました。

機関車の特性としては、鉄道院1800形に類似した中型タンク機であり、高性能ながらも大きな軸重が課題とされていました。また、1500形に関する写真記録は存在せず、そのため「幻の機関車」として訴えられることもあります。

運行と廃車

初めは唐津線に配属された1500形ですが、九州鉄道がいくつかの線を併合した後には伊万里線に移動しました。さらに早岐や門司を通過しながら、1921年6月まで稼動していましたが、1922年に全5両が廃車・解体されました。

主要諸元

1500形の特長的な諸元は次の通りです。全長は8,520mm、全高は3,516mm、全幅は2,362mmで、軌間は1,067mmです。動輪直径は1,253mmで、ボイラー圧力は12.0kg/cm²に設定されていました。火格子面積は1.2m²、全伝熱面積は81.8m²と、多くの物理的データが示されています。

唐津鉄道5号のケース

同じくSLMによって1898年に製造された唐津鉄道5号は、1500形よりも小さい規模でしたが、車軸配置は同じく0-6-0(C)でした。九州鉄道では190形（190）と呼ばれ、後に国有化前の1902年には八幡製鉄所へ譲渡されました。最終的には1952年まで使用され、部品が流用されるなどの更新改造が行われました。

参考文献

1500形およびその周辺の歴史については、以下の文献を参考にしました。

• - 臼井茂信「国鉄蒸気機関車小史」
• - 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成」
• - 金田茂裕「SLM（スイス）の機関車 A.ボルジッヒの機関車」など。これらの文献は、日本の蒸気機関車やその系譜についての貴重な情報源となっています。

1500形は、国鉄の影響を受けた機関車として、日本の鉄道史に名を刻む存在です。その魅力は未だに多くの鉄道ファンに語り継がれています。

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