国鉄3360形蒸気機関車

3360形蒸気機関車について

3360形は、かつて日本の鉄道業界で活躍したタンク式蒸気機関車で、主に日本国有鉄道の前身である鉄道院・鉄道省に所属していました。この機関車は1905年から1906年にかけて、山陽鉄道のためにボールドウィン・ロコモティブ・ワークスで製造されたもので、その種類は2-6-2(1C1)の車軸配置を持つヴォークレイン4気筒複式の飽和式タンク機関車となっています。具体的には、車両番号は3360から3370までの11両が製造されました。

製造と改称の経緯

3360形の製造は、1905年5月から始まり、最初の3両（製造番号25692, 25702, 25718）が完成しました。その後、6月にはさらに2両、1906年8月には6両が製造されました。山陽鉄道では当初、これらの機関車を32形（142 - 152）と呼称していましたが、1907年に山陽鉄道が国有化され、その後の1909年には鉄道院の新しい車両称号規程に従い、3360形として改名されました。

活躍と運用

国有化後の3360形は、姫路周辺で主に運用されていましたが、やがて福知山や池田へと移動し、福知山線で貨物列車や混合列車の牽引に用いられました。しかし、1925年5月に全車が廃車となり、その後解体されてしまいます。その要因として、複式機関車であることから扱いが難しいとされ、敬遠されたことが挙げられます。

機関車の主要諸元

3360形の主要な技術的特性は以下の通りです：

• - 全長: 10,021mm
• - 全高: 3,645mm
• - 全幅: 2,616mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 2-6-2(1C1)
• - 動輪直径: 1,270mm
• - シリンダー（直径×行程）: 279mm×559mm・457mm×559mm
• - ボイラー圧力: 13.4kg/cm²（型式によっては12.7kg/cm²）

この機関車はまた、スチーブンソン式のアメリカ型弁装置や、火格子面積が1.64m²の設計を持っています。シリンダ引張力は、単式状態で7,800kg、複式状態で5,690kgに達し、非常に優れた牽引能力を誇っていました。

結論

3360形は日本の鉄道史においては、短命ではあったものの、そのデザインや運用方法が注目される存在でした。技術的な革新の中でタンク機関車が果たした役割は計り知れず、今日でも多くの鉄道愛好家によってその歴史が語り継がれています。これらの情報は、当時の鉄道技術の進歩や、国有化による運営の変遷を理解する上での重要な資料となっており、関連する文献も参考にしながらさらに学び続けていくことが求められます。

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