国鉄5000形コンテナ

国鉄5000形コンテナの概要

国鉄5000形コンテナは、日本国有鉄道（国鉄）が1959年度に製造した有蓋鉄道コンテナの一種です。このコンテナは、長さ約11フィート（約3.3メートル）で、主に貨物輸送に使用されました。国鉄の初の5トンコンテナとして、当初20個が製作され、これがその後の国鉄の貨物輸送体系における重要な一歩となりました。

制作の経緯

1959年の春、国鉄は新たな貨物輸送手段として5000形コンテナの製作を決定しました。この際、東急車輛製造と富士重工業の2社にそれぞれ10個ずつ発注し、比較検討を行うこととしました。この方式により、両社の技術的な優位点や緊締装置の使い勝手を把握することを目的としていました。

試作時には、各社が鋼製、アルミニウム製、さらには木製のコンテナを製作しましたが、試験の結果、アルミニウムと木製は耐久性が不足していることが判明しました。そのため、最終的に量産は鋼製で行うことが決定されました。また、緊締装置についても、東急車輛製造提案の方式を基に改良され、現在の方式が採用されることになりました。

外観と色彩

当初、5000形コンテナの外面色は淡緑3号でした。しかし、時間の経過とともに退色や汚れに弱いことが課題として浮上したため、1964年には黄緑6号（通称・山手線色）に変更されました。この変更は、コンテナの耐候性を向上させ、視認性の確保にも役立ちました。

量産型の製造

試作に続いて、5000形コンテナの量産型も同じ2社によって製作され、合計330個が生産されました。いずれのコンテナも片側に妻面扉が設けられており、貨物の積み卸しが容易に行える構造となっていました。

終焉

しかし、時代の流れと共に貨物輸送の方式も変化し、5000形コンテナは1984年度に形式消滅となりました。この形式の消滅は、国鉄の貨物輸送におけるコンテナ形式の変遷の一つを象徴しています。

参考文献

• - 貨車技術発達史編纂委員会（編著）『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』社団法人日本鉄道車輌工業会、2008年3月。
• - 吉岡心平『国鉄コンテナのすべて』 上、ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 121〉、2009年9月。

国鉄5000形コンテナはその短い歴史の中で、多くの貨物輸送の要素を牽引し、またその改良を重ねながら日本の鉄道貨物運送の発展に寄与した重要な存在でした。

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