国鉄7600形蒸気機関車

7600形テンダ式蒸気機関車

7600形は、かつて日本国有鉄道の前身である鉄道作業局や鉄道院に属したテンダ式蒸気機関車の一つです。この機関車は1889年にイギリスのナスミス・ウィルソン社によって製造され、当初は日本鉄道によって運行されていました。

機関車の基本情報

7600形は、鉄道の発展に伴って必要とされた蒸気機関車の一例として登場しました。最初は官設鉄道によって6両が製造され、その形式は2-6-0（車軸配置）であり、2気筒の単式飽和式テンダ機関車として設計されていました。当時の形式名はW形で、番号は138、140、142、144、146、148が割り当てられていました。

日本鉄道が国からの支援を受けて独立した時期には、その車籍に組み入れられ、W3/4形に名称が変更されました。1909年の鉄道院による形式称号規程に従い、7600形（7600 - 7605）となり、国有化後も多くの鉄道路線で使用されました。

主な特徴

7600形は、同時期に輸入されたキットソン製のV形（後の7450形）と主な諸元がほぼ一致していましたが、先輪と第1動輪間の寸法が若干長いことや、火室がベルペヤ式であるなどの違いがありました。また、外観的には丸みを帯びた形状の煙室側板を持ち、側水槽を備えていることが特徴でした。ナスミス・ウィルソン社による唯一のテンダ機関車としても知られています。

活躍の歴史

当機関車は初期において日本鉄道の東北線で配属され、官設鉄道でも使用されました。また、日露戦争中には陸軍によって野戦輸送に供出され、満州でも運行されましたが、すべての機関車は無事に日本に帰還しました。国有化後は、黒磯や大宮などへと配属先が移動し、最終的には直江津線で運行されました。

廃車と解体

7600形は1922年に全機が廃車となり、解体処分される運命を辿りました。今ではその姿を見ることはできませんが、蒸気機関車の歴史の中で重要な役割を果たしていたことは確かです。

主要諸元

• - 全長: 14,342mm
• - 全高: 3,658mm
• - 全幅: 2,286mm
• - 軌間: 1067mm
• - 車軸配置: 2-6-0 (1C)
• - 動輪直径: 1,219mm
• - 弁装置: スチーブンソン式基本型
• - シリンダー（直径×行程）: 406mm×559mm
• - ボイラー圧力: 11.2kg/m2
• - 火格子面積: 1.49m2
• - 全伝熱面積: 92.2m2
• - 煙管蒸発伝熱面積: 83.8m2
• - 火室蒸発伝熱面積: 8.4m2
• - ボイラー水容量: 2.9m3
• - 小煙管（直径×長さ×数）: 44.5mm×3,370mm×178本
• - 機関車運転整備重量: 42.80t
• - 機関車空車重量: 35.80t
• - 機関車動輪上重量（運転整備時）: 38.52t
• - 機関車動輪軸重（第2動輪上）: 13.04t
• - 炭水車重量（運転整備）: 19.16t
• - 炭水車重量（空車）: 9.35t
• - 水タンク容量: 9.08m3
• - 燃料積載量: 3.10t
• - シリンダ引張力: 7,200kg
• - ブレーキ装置: 手ブレーキ、真空ブレーキ

7600形蒸気機関車は、日本の鉄道史において重要な遺産として記憶されています。

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