国鉄8400形蒸気機関車

8400形 機関車の歴史

8400形は、日本国有鉄道の発展に寄与した重要な蒸気機関車です。もともとは1898年にアメリカのロジャーズ・ロコモティブ・ワークスによって製造され、最初は山陽鉄道に所属していました。これらの機関車は2気筒単式の飽和式テンダ機関車で、車軸配置は2-6-0(1C)という配置を持っていました。

製造と初期の運用

当時、山陽鉄道はロジャーズ社に依頼して4両を発注しました。この機関車は、ボールドウィンの仕様書に基づいて製造され、外見や性能面でもその影響を色濃く受けていました。実際、山陽鉄道では当初、勾配区間を走行するための運用に適していたため、特にこの形式が選ばれました。

山陽鉄道の形式では14形と呼ばれ、製造番号と同じ順序で82 - 85という番号が付与されました。この後、1906年の国有化によって国有鉄道に移行し、新たに8400形として再編成されました。この新しい呼称が与えられたのは、1909年に制定された鉄道院の車両形式称号規程によります。

設計と性能

8400形のデザインはアメリカ古典形機関車の典型で、ボイラーはストレートトップ型です。蒸気ドームや砂箱が配置され、煙室の側面には支柱が設けられています。炭水車は3軸で、後部にはボギー台車が採用されています。運転室のデザインは、鋼製の大型のものですが、その大部分はボイラー火室に占有されるため、全体的にはずんぐりとした印象を与えています。

国有化後の活躍

8400形は国有化後、豊岡と鳥取間の山陰線で一時的に使用されましたが、しばらくして再び糸崎に戻り、岡山と広島間での運用が始まりました。その後、姫路市や王寺へ移転し、和歌山線で活躍しました。晩年には、入換用として使われることが多くなり、動力逆転機を備えて神戸港や梅小路などで運用されることとなりました。

寿命と廃止

8400形の廃車は1933年および1934年に行われ、民間への払い下げや保存はされませんでした。これにより、日本の蒸気機関車の歴史から姿を消すこととなりますが、その活躍は現在でも語り継がれています。

各種諸元

8400形の詳細な仕様は、以下の通りです。全長は14,503mm、全高は3,607mm、全幅は2,604mm、軌間は1,067mmとされ、動輪直径は1,372mmです。ボイラー圧力は11.2kg/cm²であり、総伝熱面積は102.2m²に達します。

最後に、8400形は日本の鉄道史において非常に重要な役割を果たした機関車の一つであり、その設計や性能は後の世代の蒸気機関車にも大きな影響を与えました。

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