ボギー台車

ボギー台車について

ボギー台車（ボギーだいしゃ）とは、車両の車体に対して水平方向に回転が可能な構造を持つ台車の総称です。このタイプの台車を装備している車両は「ボギー車」と呼ばれ、特に鉄道において重要な役割を果たしています。

概要

初期の鉄道車両は、短い車体と2軸の車軸を直結した固定二軸車（固定輪車）で設計されていました。しかし、鉄道の普及に伴い、長い車体を持つ大量輸送手段が必要になると、曲線通過における問題が生じるようになりました。そこで登場したのが、車体とは独立して回転可能なボギー台車です。ボギーとは、もともと低い丈夫な荷車や運搬台車を指す言葉です。

ボギー台車は通常、中心ピン（心皿）や枕梁（ボルスタ）と呼ばれる構造を利用し、車体との接続を行います。しかし、最近では空気ばねの特性を利用して、これらの部品を省略した軽量化された「ダイレクトマウント台車」や「ボルスタレス台車」が主流となっています。

この台車の主な種類は、車軸数によって区別されます。現代の鉄道で最も一般的なのは、二軸ボギー台車です。その他にも、重量物を運ぶための4軸以上のボギー台車も存在しますが、通常は前後に2個の台車が装備されます。ただし、軌道検測車や特に重い車両では、3つ以上のボギー台車を備えることも珍しくありません。また、これらの中間台車には回転だけでなく、左右の動きも許可されています。

さらに、家ごとの多くのボギー台車は、複数の枕枠を持つ「複式ボギー」と呼ばれる設計があり、固定式の一軸を併用した「片ボギー」方式も存在します。また、路面電車の連接車両では、車輪が車体に固定されているものもあります。

例

• - 一軸ボギー台車の例: 日本国有鉄道レム9000形試作冷蔵車、樽見鉄道ハイモ180形気動車
• - 二軸ボギー台車の例: 国鉄103系通勤電車、485系特急電車
• - 三軸ボギー台車の例: 国鉄マイテ49形、EF62形、タキ50000形貨車
• - 四軸ボギー台車の例: 米国ユニオン・パシフィック鉄道のEMD DDA40X形ディーゼル機関車

また、第二次世界大戦後の航空機にも、このボギー台車の原理が適用されており、特に重量のある航空機の降着装置として広がりを見せています。

特徴

長所

1. 車体と台車が独立して回転するため、曲線走行が非常にスムーズである。
2. 台車間の距離を広げても曲線通過に影響が少ないため、車体の長さを増やすことが可能。
3. 二軸車に比べて、ばねやダンパーを効率よく組み込め、高速走行でも安定しており、乗り心地が良い。
4. 車軸数が増えることで、軸重を軽減し、トンネルやレールへの負担が少なくなる。

短所

1. 小型車に適応するのが難しくなるため、大型の車両でよく使用される。
2. 二軸車に比べて構造が複雑で、製造や保守のコストが高くなりがち。
3. 日本では、小型貨車や旧型のレールバスを除いて、ボギー台車の使用が主流です。しかし、現代鉄道の新幹線から路面電車、大型貨車に至るまで幅広く取り入れられています。

ボギー台車は、その独自の機構によって、現代交通システムにおいて無くてはならない存在となっています。

もう一度検索