国鉄C30形コンテナ

国鉄C30形コンテナの概要

国鉄C30形コンテナは、日本国有鉄道によって1983年に製造された鉄道貨物輸送用のコンテナです。このコンテナは、長さ12フィート（約3.7メートル）、最大積載量5トンの有蓋構造を持っています。当初、1971年に登場したC20形コンテナを基に容量が増加したものの、一側面にしか荷役用の扉がないため、荷主からは多方向からの積み下ろしが可能な構造を求める声が高まりました。このようなニーズを受け、C30形コンテナは、専用線での作業効率を向上させるため取り組まれました。

形成の背景

1980年代初頭、日本国有鉄道は財政的な問題を抱えており、効率的な投資が求められていました。その中で、1983年に新しい「二方開きコンテナ」の開発が決定され、既存のC20形およびC21形コンテナを改造する形で500個が新たに製造されました。この改造は、問題の解決策として実施され、スタンダードとなりました。特に、荷役の利便性を高め、専用線での使用を念頭に置いた仕様が重要視されました。

構造の特徴

C30形は、元々片側開きのC20形とC21形から改造されたものです。新たに追加された側面の扉は、両形式と同じ寸法を保ちつつ、側扉が設けられた二方開きというデザインを採用しました。このため、元の扉と新設された扉の配置が工夫されており、改造されたコンテナは、両端からのアクセスが可能で、効率的な荷役作業を実現しました。

外法寸法としては、高さが2,350mm、幅が2,438mm、長さが3,658mmとなっており、自重は1.7トンです。また、改造工場によって異なる内容積があり、16.4m³と16.5m³の二種類があります。最大積載量は5トンで、側扉の開閉は扉が右側へ180度まで開くことを許容しています。

運用と配備

C30形コンテナは、効率的な荷役を目的として特定の荷役駅に優先的に配置されました。具体的には、北海道地方の帯広駅と苫小牧駅、さらに東日本の宮城野駅や、倉賀野駅、高松駅などに運用されることとなりました。この運用により、荷主からの需要に柔軟に対応し、効率的な貨物輸送を支える役割を果たしました。

1987年の国鉄分割民営化の際には、483個がJR貨物へと引き継がれましたが、社内の新しい形状のコンテナ（18D、19D、19G形など）の導入により、次第にC30形の使用は減少しました。最終的には、2004年度に全てのC30形コンテナが廃止される結果となりました。

色とデザイン

本形式の外装は、従来のコンテナと同じく「コンテナグリーン」に塗装されており、側面に赤い帯が施されています。これは、二方開きであることを示す視覚的な識別要素としての役割を果たしています。

参考資料

この情報は、貨車技術発達史や国鉄コンテナに関する専門文献を基に整理されています。国鉄の貨物輸送における重要な要素として、C30形コンテナはその時代背景を反映する存在であり、技術の進展を象徴するコンテナとして位置づけられます。

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