貨物

貨物（かもつ、Freight）

貨物とは、運送の対象となる物品を総称したものであり、主に商業的利益を追求するために輸送される商品を指します。英語では、貨物に関連する用語として「フレイト（Freight）」、「カーゴ（Cargo）」、「グッズ（Goods）」の3つがあります。特にカーゴは、水路や空路で輸送される貨物を表す場合が多いです。

分類方法

貨物は様々な基準で分類されます。物品の性状による分類では、主に一般貨物と特殊貨物に分かれます。一般貨物は通常の取り扱いができる物品で、特殊貨物は液体や貴重品、危険物など、特別な取り扱いが必要な物品を指します。また、これらはさらに雑貨に分類されることもあります。

次に、包装形態に基づく分類では、バルク貨物（ばら積み貨物）、容器入り貨物、コンテナ貨物、パレット積み貨物などがあります。こうした分類は、貨物の取り扱いや輸送方法に影響を与えます。

さらに、輸送手段によっても分類が行われます。主な輸送手段には、海上貨物、航空貨物、鉄道貨物、トラック貨物があります。特にトラック積載量未満の貨物（LTL）は、企業間輸送のほとんどを占めており、LTL貨物は自動車貨物とも呼ばれています。

日本における貨物輸送

日本では、貨物は商法に基づいて規制されており、輸送手段のシェアについて国土交通省による交通センサスに基づくと、2000年度ではトラック輸送が81%を占めています。つまり、日本の貨物輸送の主な手段はトラックであるといえます。

鉄道においては、手荷物や小荷物は「荷物」と呼ばれ、貨物とは異なる扱いを受けます。貨物は貨車で運ばれますが、荷物は客車の一種である荷物車で輸送され、特定の駅で管理されています。しかし、近年ではほとんどの鉄道荷物輸送が廃止されています。

また、2007年以降の郵政民営化に伴い、以前の小包は宅配便として再構築され、これも貨物の一種とされています。1960年代までは鉄道が陸上輸送の中心でしたが、長距離大量輸送には適している一方、小回りが利かないため、鉄道貨物のシェアは年々減少しました。現在、シェアはトンキロベースで約4%にとどまっています。

地方では貨物を取り扱う駅が減少し、石油などの大量輸送やコンテナ貨物にシフトしています。大学と都市間の海運や空運も選択肢として残されており、特に空運は徐々にそのシェアを拡大しつつあります。

欧州における貨物輸送

ヨーロッパでは、鉄道が整備される前は河川舟運が主要な輸送手段でした。しかし、19世紀後半から20世紀前半にかけての鉄道と道路整備の進展により、河川舟運は次第に衰退していきました。最近のデータによると、2010年の時点で河川輸送のシェアは約3%であり、鉄道輸送の約10%に比べると少なくなっています。

それでも、モーダルシフトへの期待が高まり、多くの国が河川舟運を強化しようとしています。ロッテルダム港やハンブルク港などの大規模港は、コンテナ取扱量が増加していることから、再評価されています。

以上のように、貨物は多様な分類や輸送手段があり、国や地域によって異なる制度と実態が存在します。

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