国鉄C90形コンテナ

国鉄C90形コンテナについて

国鉄C90形コンテナは、日本国有鉄道が1966年に試作した有蓋コンテナの一群です。これは、約11フィートの規格を基にしたもので、鉄道による貨物輸送に特化した設計がなされています。開発は、同年に4つの異なる形式が制作され、用途ごとの運用試験を行うためのものでした。これらのコンテナは、後に新幹線でも利用できるような構造に設計されましたが、最終的にはその計画は実現しませんでした。

設計の特徴

C90形コンテナは、すべてフォークリフトによる荷役の便を考慮して、前後左右どの方向からも荷物の方差しができる4方差し構造が特徴です。これは運用の効率性を高めるために非常に重要な要素となっています。具体的には、以下の4つの形式が存在します。

905形

905形は、東急車輛製造と富士重工業によってそれぞれ1つずつ製作されたもので、両側面および片側妻面が開閉可能なクレーン上吊りに対応したデザインです。サイズは全長3,299.2 mm、全幅2,392.4 mm、全高2,359 mm、最大荷重は5トン、自重は1.3トン、容積は14.25立方メートルです。

910形

910形も同様に1個ずつが製作され、片側妻面の1方開き式でクレーン上吊り用に設計されています。サイズは全長3,299.2 mm、全幅2,366 mm、全高2,359 mm、最大荷重は5トン、自重は1.1トン、容積は14.28立方メートルとなっています。

915形

915形は、両側面に2つの開口部があり、同じくクレーン上吊りに対応した形式です。サイズは全長3,240.4 mm、全幅2,342 mm、全高2,345.2 mm、最大荷重は5トン、自重は1.1トン、容積は14.19立方メートルです。

920形

最後の920形は、両側面に2つの開口部があり、クレーン下吊りに特化した設計です。全長3,288 mm、全幅2,394 mm、全高2,359.2 mm、最大荷重は5トン、自重は1.1トン、容積は14.16立方メートルに設定されています。

これら4種類はすべて、試作コンテナとしては珍しく1966年6月に改番が行われ、C90形として正式に分類されました。試作後は営業運用にも供されたものの、実際には寿命は長くは続かず、最後の1両は1986年に廃止され、形式は消滅しました。

参考文献

国鉄C90形コンテナに関する詳細情報は、以下の資料に記載されています。

• - 貨車技術発達史編纂委員会（編著）『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』社団法人日本鉄道車輌工業会、2008年。
• - 吉岡心平『国鉄コンテナのすべて』上、ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 121〉、2009年。

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