国鉄C95形コンテナ

国鉄C95形コンテナについて

国鉄C95形コンテナは、1978年から1980年にかけて日本国鉄によって製造された盡報品保冷コンテナです。このコンテナは、一般的な冷蔵コンテナが持つ片荷輸送の傾向を改善することを目的として開発されました。C21形を基にしたこのコンテナは、荷物を目的地まで運ぶだけでなく、一般貨物の輸送も可能にするために設計されています。全体で600個が製造され、特に野菜などの生鮮食品の輸送に幅広く使用されました。

歴史と運用

C95形コンテナは、安全かつ効率的な冷蔵輸送手段を提供するために、日本全国の特定駅に常備されて運用されました。しかし、1987年に国鉄が分割民営化されると、597個のC95形コンテナが日本貨物鉄道（JR貨物）に引き継がれました。その後、1993年度以降には、19A形や19B形、19D形といった新型のコンテナが登場し、さらに私有保冷コンテナのUR18A形の出現も影響して、C95形の使用が徐々に減少しました。最終的には、2006年度に全てのC95形コンテナが廃止されました。

構造と性能

C95形コンテナの構造は非常に特化されています。片側に妻扉が設けられた一方開きのデザインで、外法寸法は高さ2350mm、幅2438mm、長さ3658mmで、内法寸法は高さ1946mm、幅2250mm、長さ3441mmとなっています。床面積は7.7平方メートル、自重は1.8トンで、内容積は15.0立方メートル、最大積載量は5トンです。

内部には発泡ウレタンによる断熱材が施されており、簡易的な保冷機能を備えています。C95形の形状は、C20形やC21形と似ており、初期生産型には上部四隅にツイストロック式の吊り金具が付いていました。しかし、中期生産型からはこの吊り金具が廃止され、後期生産型では妻扉のロックレバーが左右2つに増設されました。

デザイン面では、簡易保冷であることを示すために、基本的に白を基調とし、下部を青に塗装、同色のピンストライプが施されています。このようなデザインは、視覚的に一目で冷蔵機能を有していることを容易に認識させるための工夫と言えるでしょう。

参考資料

このコンテナについての詳細は「日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年」という資料に収められています。この書籍では日本の貨物車両技術の変遷が紹介されており、国鉄C95形コンテナもその中で重要な位置を占めています。

まとめ

C95形コンテナは、日本の鉄道貨物輸送において重要な役割を果たすことができた簡易保冷コンテナでした。野菜や果物といった生鮮食品を安全に運ぶための手段として、多くの運用実績を持ちながらも、新たなコンテナの登場とともにその歴史に終止符を打たれました。それでも、その設計や機能は鉄道貨物輸送の発展に寄与したことは間違いありません。

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