国鉄DD11形ディーゼル機関車

DD11形ディーゼル機関車の概要

DD11形ディーゼル機関車は、日本国有鉄道（国鉄）が製造した入換専用の液体式ディーゼル機関車です。1954年に初の液体式機関車として誕生し、特に気動車用のディーゼルエンジンと液体変速機を搭載しています。この機関車は、当時の技術革新を代表する存在であり、液体式の採用により効率的な運転を可能にしました。

設計と仕様

DD11形は、1次型と2次型の2つのバリエーションが存在し、それぞれ異なる製造年代に基づいています。1次型は1954年製で3両が製造され、2次型は1957年に6両が追加されました。両型式は同じく汽車製造によって製造されましたが、細部において設計が異なります。

この機関車は、キハ10系気動車と同じことで知られるDMH17B形ディーゼルエンジンを2基搭載し、出力は合計320馬力、最高回転数は1,500rpmです。また、TC-2形とDF115形の2セットの液体変速機を装備しており、これにより運転の効率性と整備の簡便性が図られました。駆動方式は、動輪の間を連結棒で結ぶロッド軸駆動方式を採用し、蒸気機関車の伝統を受け継いでいます。

その外観は、当時の小型ディーゼル機関車の設計を参考にしており、運転台を中央に配置し、エンジンや冷却装置などを前後に配置した凸型のレイアウトとなっています。このデザインは、機関整備や入換作業の効率を向上させる要因となりました。

運用と歴史

1次型のDD11は、戦後の復興計画の一環で製造され、当初は白棚線での操作を目的としていましたが、経済的理由からその計画が変更されました。そのため製造された機関車は、在日米軍基地や自衛隊基地に配置され、火気厳禁区域内での入換作業に活用されました。具体的には、横須賀軍港や岩国飛行場などの基地付近での運用が行われました。

しかし、1978年には全車が国鉄から除籍され、多くは専用線に払い下げられました。一方、2号機は労働組合の募金によりベトナム国鉄に寄贈され、その後1977年に整備された後、ベトナムへ送られました。その後、現地での運用は2002年まで続きました。

派生と現状

1954年に製造された大分交通D31形が、BB11形と同様のディーゼル機関車として市場に登場しました。外観や機械的構造はほとんど同じですが、設計上の要件から異なる点も存在しています。

現存するDD11形は、過去に静態保存されていた8号機の例があるものの、2003年にその施設が閉館したため、現在では国内には残っていません。ベトナムでの利用にあたっても、運用が終了し現状では放置状態です。

主要諸元

• - 全長：9,550mm（2次型は10,400mm）
• - 全幅：2,540mm（2次型は2,785mm）
• - 全高：3,721mm（2次型は3,760mm）
• - 軸配置：B-B
• - 主機：DMH17B（160馬力×2基）
• - 液体変速機：TC-2・DF115（各2基）
• - 最高運転速度：53km/h（2次型も同）
• - 最大引張力：7,920kgf

DD11形ディーゼル機関車は、入換業務における重要な役割を果たし、その設計理念や技術は、その後の国鉄の機関車設計に大きな影響を与えました。

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