国鉄NC2形コンテナ

国鉄NC2形コンテナについて

国鉄NC2形コンテナは、日本通運（日通）によって所有され、1986年5月に製造が開始されました。このコンテナは、日本国有鉄道（国鉄）と、その後の1987年に民営化された日本貨物鉄道（JR貨物）に配置され、自社の荷物輸送に利用されていました。本型式は、側面がL字型2方に開く設計の12 ftの私有コンテナで、軽量な特性を持ちながらもかさばる荷物を効率的に載せることができる背高コンテナとして開発されました。

特に、日通の主要な顧客である日本たばこ産業向けに設計されており、タバコの輸送に特化した利点を持っています。このコンテナは、200基の製造が行われ、番号は4から203番までの順に付与されました。さらに、タバコ銘柄「CABIN」のカラーリングが施され、他のコンテナとの差別化を図る一環として各地で運用されることとなりました。

コンテナの仕様

国鉄NC2形コンテナは、富士重工業製が約18 m³の内容積を持つのに対し、東急車輛製造のものは約17 m³となっています。このように、わずかながらも内容積に差異が見られることが特徴です。

このコンテナは、背高タイプであるため、引退後もその使い勝手の良さから多くが倉庫などでの転用に繋がりました。JR貨物への移行後には、さまざまな背高タイプのコンテナが登場したため、日通が所有する私有コンテナとしての後継は特に造られませんでした。その代わりに、JR貨物の一般的な背高コンテナや、特に日本石油輸送が開発した冷蔵コンテナのUR17A形やUR18A形が使用されるようになりました。

ロットと製造

国鉄NC2形コンテナは、以下のロットで製造されました：

• - ロット1〜3（3個）：1986年5月に、東急車輛製造、富士重工業、日本車輌製造の3社で試作されました。このときのカラーリングは、前級のNC1形と同様の「ペリカン便」でしたが、背高構造に変わったため、側面最上部が紺色に塗装されNC-1との識別がなされていました。
• - ロット4〜68（65個）：1986年10月に富士重工業で製造されました。
• - ロット69〜203（135個）：同じく1986年10月に東急車輛製造で製造されました。

おわりに

国鉄NC2形コンテナは、その軽量でありながら大きな積載能力を有し、特にタバコ輸送用としてのニーズに応じて開発されたことが分かります。現在は引退しているものの、多くのコンテナが倉庫利用に転用されており、なおもその存在感を残しています。また、今後の貨物運輸界においては、抱き合わせに使用される冷蔵コンテナ等といった新しい取扱商品の動向に注目が集まります。

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