国鉄R10形コンテナ

国鉄R10形コンテナ

国鉄R10形コンテナは、日本国有鉄道（国鉄）が1960年に製造した冷蔵コンテナで、サイズは約11フィートに相当します。この車両は日本で初めて導入された冷蔵コンテナとして、鉄道輸送の分野に新たな可能性を開きました。

製造の経緯

初めて製作されたのは1960年度で、富士重工業が製作した2個（ナンバー100と101）、そして東急車輛製造が手掛けた1個（ナンバー102）の合計3個が試作されました。この時点では試作的な要素が多く含まれていましたが、5年後の1965年度には追加で40個（ナンバー103から142）が富士重工業で製造され、外板の厚さが0.8 mmから1.2 mmに改良されました。

形式名は当初は「100形」とされていましたが、1966年6月の称号改正を受け、R10形に変更され、それに伴って番号も（100-142から1-43）に変更されました。

その後も増備が進み、1966年度には150個（44-193）、1967年度には300個（194-493）、1968年度には200個（494-693）が新たに製造され、これらのコンテナはクレーンによる荷役に対応することが可能となりました。

構造の改善

クレーン荷役に対応するための設計変更が行われたものの、初期の構造に問題があったため、1969年度には200個（694-893）が上吊り方式に改良されたコンテナとして再び製造されました。このような改良は、運用の現場における稼働効率向上に寄与しました。

1972年度には650個（894-1343）が、再び富士重工業と東急車輛製造によって製作されました。このロットからは「国鉄冷蔵コンテナ、戸口から戸口へ」という標記が廃止され、外観がC20形に似た特徴を持つようになりました。

特徴と仕様

R10形コンテナは、片側にのみ扉が1つ設置されており、塗装は一貫して白色で、全長3,234 mm、全幅2,294 mm、全高2,361 mmというサイズ規格を持っています。荷重は5トン、自重が1.3トン、容積は11.1 m³という特性があります。

1985年度には、最後まで使用された14個のコンテナが廃止され、形式が消滅しました。これにより、国鉄の冷蔵コンテナとしての歴史は幕を閉じました。

参考文献

• - 貨車技術発達史編纂委員会（編著）『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』社団法人日本鉄道車輌工業会、2008年3月。
• - 吉岡心平『国鉄コンテナのすべて』 上、ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 121〉、2009年9月。

このように、R10形コンテナは日本の鉄道貨物輸送において重要な役割を果たした冷蔵コンテナであり、その設計や技術の進化は、今後の鉄道輸送の発展に寄与しています。

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