国鉄R90形コンテナ

国鉄R90形コンテナの概要

国鉄R90形コンテナは、1960年に日本国有鉄道（国鉄）によって設計された冷蔵コンテナです。このコンテナは、鉄道輸送の一環として、特に鮮度を求められる商品を運ぶために開発されました。コンテナの大きさは約11フィート（約3.4メートル）で、冷蔵機能を持つ点が特徴です。

開発の経緯

国鉄R90形は、1960年度に日本で初めて冷蔵コンテナとして開発されたもので、同時期に100形と150形が製作されました。150形は、特別に設計された有蓋コンテナと兼用されるように工夫され、当時の技術の粋を集めた形となりました。これにより、客観的に見ると、それぞれのコンテナが持つ特性が明確になってきます。

主要な特徴

R90形は、150形から派生した形式ですが、その側面に設けられた開閉式の通風口が目を引きます。この通風口は、サイズが縦310 mm、横440 mmという大きさであり、室内から簡単に開閉できるように設計されています。このような機能は、冷蔵コンテナ特有の必要性に応じたもので、温度管理を行うために効果的な手段となりました。

形式名の変更とその後

1966年には、称号改正に伴い形式名がR90形に変更されました。この変更は国鉄における規格の統一を進めるものであり、新たな時代の流れに呼応した形となります。しかし、残念なことに、R90形コンテナは量産には至らず、試作段階での評価にとどまることが決まります。

仕様と寸法

このコンテナの基本的な寸法は、全長が3,327.3 mm、全幅が2,348.2 mm、全高が2,349.9 mmで、最大荷重は5トン、一方の自重は1.3トンという設計です。容積は11.1 m3となっており、輸送の効率を考えた設計と言えるでしょう。扉は片側の妻面に1か所のみ設けられ、仕様や塗装については150形から一貫して白色が使われています。

終焉と影響

国鉄R90形は、1967年度に廃止され形式が消滅しました。その短命さから、実際に現役として運用された記録は少ないものの、冷蔵コンテナの発展に寄与した重要な一歩として歴史に名を刻んでいます。このようなコンテナの開発は、後の冷蔵輸送技術の進化にもつながり、結果として日本の鉄道輸送における物流の効率化に貢献しました。

参考文献

• - 貨車技術発達史編纂委員会編著『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』
• - 吉岡心平『国鉄コンテナのすべて』 上

以上の点からも、国鉄R90形コンテナはその実績とともに、日本の鉄道貨物輸送史において重要な役割を果たしていたことがうかがえます。

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