国鉄T15形コンテナ

国鉄T15形コンテナの概要

国鉄T15形コンテナは、日本の国有鉄道によって1967年に製造された専用の鉄道輸送用タンクコンテナです。このコンテナは、特に植物油を効率的に運搬するために設計されました。

製造の背景

1967年度のプロジェクトにおいて、東急車輛製造が手がけたこのタンクコンテナは、全長3,240 mm、全幅2,300 mm、および全高2,302.6 mmの寸法を持っています。最大荷重は5トンで、自重は1.5トン、容積は5.3 m³です。これにより、様々な種類の植物油を安全に運搬することが可能でした。

本コンテナは、普通鋼製で厚さ60 mmのグラスウール断熱材で覆われており、その外側にキセ（外板）が装着されています。この構造は、運ぶ物資の温度管理に優れています。また、内部にはステンレス鋼製の蒸気加熱管が装備されており、運搬中に油の温度を一定に保つことができます。

利用状況と廃止

国鉄T15形コンテナは、1985年まで活躍していましたが、同年中に使用されていた4つのコンテナが廃止され、これによりこの形式は消滅しました。その後、鉄道におけるコンテナ輸送の技術も進化し、さまざまな形式の新しいコンテナが登場しました。

保存状態

しかし、国鉄T15形コンテナの中の一つ、T15 5は、JR貨物によって廃棄されることとなった後、鉄道博物館にて保存され、展示されています。これにより、歴史的な価値を持つこのコンテナが後世に伝わることとなりました。

参考文献

国鉄T15形コンテナに関する詳細な情報は、以下の文献に記載されています:

• - 貨車技術発達史編纂委員会による『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』
• - 吉岡心平の著作『国鉄コンテナのすべて』

これらの文献は、国鉄の貨車やコンテナの歴史、技術的な進展についての貴重な資料となっています。

関連項目

さらに国鉄のコンテナ形式に興味がある方は、JR貨物の他のコンテナ形式についても是非調べてみてください。

もう一度検索