国鉄T18形コンテナ

国鉄T18形コンテナについて

国鉄T18形コンテナは、日本国有鉄道が1968年に導入したタンクコンテナです。このコンテナは特に鉄道輸送における鉱物油の専用運搬を目的として設計され、当時の輸送ニーズに応える重要な役割を果たしました。

概要

T18形コンテナは、1968年度に富士重工業によって12両が製造されました。これらは、鉱物油を安全に輸送するために、クレーンによる取り扱いが可能な構造を持っています。このコンテナのタンク体は、通常の圧延鋼材である厚さ3.2mmの普通鋼で製造されており、さらにその外部には60mm厚のグラスウール断熱材が施されています。この二重の構造によって、輸送中の温度管理が強化されるとともに、外的な影響からも保護されています。

設計と寸法

T18形コンテナの設計は、荷役の利便性を重視しています。タンクの上部には液体を入れるための入口があり、また下部には液体を排出するための弁が設けられています。この構造により、迅速かつ効率的な荷役作業が可能です。

具体的な寸法は以下の通りです：

• - 全長: 3,240 mm
• - 全幅: 2,300 mm
• - 全高: 2,350 mm
• - 荷重: 5,000 kg
• - 自重: 1,400 kg
• - 容積: 4.1 m³

このように、T18形コンテナはコンパクトながらも十分な収納能力を持ち、鉱物油の大量輸送に対応できるよう設計されています。

使用と消滅

このコンテナは、1986年度に2両が最後まで使用され、その後廃止されました。形式の消滅は、時代の流れとともに新しいコンテナ形式への移行を反映していますが、T18形は当時の技術の集大成として今でも高く評価されています。

参考文献

このコンテナに関する詳細は、以下の参考文献をもとにさらに学ぶことができます。

• - 貨車技術発達史編纂委員会（編著）『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』社団法人日本鉄道車輌工業会、2008年3月。
• - 吉岡心平『国鉄コンテナのすべて』 下、ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 122〉、2009年11月。

T18形コンテナは、国鉄の歴史の一部として、鉄道輸送の変遷を象徴する存在です。その設計や製造過程を振り返ることで、今後の鉄道技術の発展にも思いを馳せることができるでしょう。

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