国鉄T65形コンテナ

国鉄T65形コンテナ

国鉄T65形コンテナ（こくてつT65がたコンテナ）は、日本国有鉄道（国鉄）が1968年に導入したタンクコンテナの一種です。このコンテナは、主に鉄道輸送に利用され、特に鉱物油の輸送に特化した設計となっています。11フィートの規格に則り、非クレーン取り扱いのタンクとして製造されました。

概要

T65形は、1968年度に富士重工業にて合計9個が製造されました。タンク部分は直円筒形をしており、構造には普通鋼が使用されています。特に注目すべきは、接液面が鉛ホモゲン加工されている点です。この加工により、タンクは耐腐食性を向上させ、長期間にわたる使用に耐える性能を持ちました。

さらに、法規制の影響を受けて、タンクは前後に2室に分割されています。この構造は、使用中の安全性を確保するためのものです。また、両室には直径450mmのマンホールが設けられており、これによりメンテナンスが容易に行えるようになっています。マンホール蓋はステンレス鋼製で無塗装であるため、耐久性に優れています。

このコンテナの寸法について、全長は3,240mm、全幅は2,300mm、全高は1,900mm、荷重は4.4トン、自重は2.4トン、そして容積は4.0立方メートルと、コンパクトながら効率的な設計がなされています。

歴史と廃止

国鉄T65形コンテナは、長い間日本の鉄道網で活躍してきましたが、1985年度には最後の1個が廃止され、これによってこの形式は消滅しました。その歴史が物語る通り、T65形は昭和の時代を代表する重要な輸送手段の一つであり、鉄道貨物輸送の発展に寄与した存在です。

参考文献

このコンテナに関する詳細な技術情報や歴史については、以下の文献を参照すると良いでしょう。

• - 貨車技術発達史編纂委員会による『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』は、国鉄時代の貨物車両全般に関する貴重な資料です。
• - 吉岡心平の著作『国鉄コンテナのすべて 下』は、特に国鉄コンテナに焦点を当てた包括的な解説が含まれています。これらを通じて、国鉄T65形の歴史や技術についてさらに深く理解することができるでしょう。

国鉄T65形コンテナは、交通インフラの進化を象徴する一例として、今なお多くの鉄道ファンや技術者の関心を集めています。

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