国鉄UM5形コンテナ

国鉄UM5形コンテナについて

国鉄UM5形コンテナ（こくてつUM5がたコンテナ）は、日本の国有鉄道が初めて導入した20フィートの無蓋の私有コンテナです。このコンテナは、1970年10月に国鉄によって初めて輸送に使用され、その後、日本貨物鉄道（JR貨物）がその運用を引き継ぎました。

1. 誕生の背景

本コンテナは、1970年10月に旧・西岡山駅と隅田川駅を結ぶ輸送路で、「山陽ライナー」と呼ばれる便が開始された際に運用されました。この時、UC5形汎用コンテナと共に供給され、私有コンテナ制度の初期において重要な役割を果たしました。初期のコンテナ登録において、2社が異なるコンテナのグループに分かれて登録される形で、我が国の貨物輸送の多様性が広がりました。

この形式のコンテナは、私有コンテナの形式付与基準に基づいておらず、登録が終了したため、近い将来、その数が減少することが避けられません。現在では、引退の危機にある形式となっています。

2. 所有者と製造

国鉄UM5形コンテナの実際の所有者は、日本通運、福山通運、岡山県貨物、日本運送、第一貨物、備後通運、日本フレートライナーなどの民間物流会社です。特に福山通運は、特定大口登録ユーザーとして1000番台に登録されています。コンテナの製造は、富士重工業や東急車輛製造、日本トレールモービルなどの企業が担当し、1970年から1987年の間に生産されました。

3. 構造と特徴

UM5形コンテナは、無蓋の構造を持ち、0番台と1000番台の2つの主要な形式に分類されます。0番台は、箱型と平型に分かれ、両者は異なるデザインと使用方法を有しています。箱型スタイルは屋根全体に開口部があり、クレーンなどによる荷揚げが可能です。一方、平型スタイルは高さが約三分の一で、主に平荷台の車両への搭載を考慮しています。

このような設計により、UM5形コンテナは多様な貨物の輸送に対応し、効率的な荷役作業ができるよう工夫されています。特に、特殊なシートを用いて屋根部分を覆うことで、天候に左右されずに貨物を保護する機能が強化されています。

4. 各番台ごとの詳細

• - 0番台 (1-10): 1970年に登録され、日通所有の箱型スタイルで、特殊な屋根開口部の仕組みを持っています。
• - 11-15番台: 岡山県貨物所有で1971年に製作され、屋根部には安全性を高めるための歩板を備えています。
• - 16-40番台: 日本運送の箱型スタイルとして、1971年に製作されました。
• - 1000番台: 福山通運所有の試作品として1970年に製造され、1号機から始まり、最大35個の登録がありました。

5. 結論

国鉄UM5形コンテナは、日本の貨物輸送の歴史において重要な一翼を担ってきました。特に、各種物流ニーズに応じた設計が施されており、今なお多くの企業に利用されています。しかし、時代の流れとともに新たなコンテナの登場が進む中で、UM5形コンテナの未来は不透明で、また登録が終了にむかって歩んでいます。物流業界の変化に伴い、コンテナの役割も進化することでしょう。

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