国際カードビジネス協会

国際カードビジネス協会の概要

国際カードビジネス協会（ICBA）は、クレジットカードの普及および啓発を目的とした団体で、1988年に設立されました。この団体は、日本信販株式会社（現在の三菱UFJニコス）をはじめとする数社によって設立され、その後、様々な業種の企業が会員として参加しました。これには、百貨店や専門店、金融機関、サービス業などが含まれています。

活動内容

ICBAは、業界関係者向けに年に数回、講演会やシンポジウムを開催しました。これらのイベントでは、公共施設におけるカード決済の普及状況や、ICクレジットカードを使った決済の未来についての討論などが行われました。クレジットカードの利用促進に寄与する一方で、実務的な情報提供も行なっていました。

国際カードブランドの供与

国際カードビジネス協会は、三菱UFJニコスが持つVisaおよびMastercardのブランドを他の企業へ供与していました。具体的には、これのライセンスを利用したクレジットカードの裏面には「ICBA」のロゴが表示されていました。このようにして、会員企業は国際カードブランドを利用した商品を提供することが可能になります。

設立の背景

1980年代前半、日本国内でVISAカードを発行できたのは一部の銀行系クレジットカード会社に限られていました。主に住友クレジットサービスとVISAジャパン協会のメンバーである銀行がその中心でした。これに対し、MasterCardは多くの提携先を持ち、特に発行枚数の面では1990年頃まで優位性を保っていました。

その後、Visaは日本市場でのシェア拡大を狙い、1987年に日本信販を含む数社にVISAの特別ライセンスを付与しました。その結果、VJAに加盟していないクレジットカード会社もVISAブランドのクレジットカードを発行できるようになりました。加えて、設立されたICBAを通じてライセンス公開が進展し、当時の日本におけるVISA加盟店の開放が進められることになりました。

解散と清算

しかし、国際カードビジネス協会は2010年3月末に解散し、清算手続きが進められました。活動当初から多くの会員企業と共にクレジットカードの普及に努めてきたものの、時代の変化に伴いその役割を終えることとなりました。

まとめ

国際カードビジネス協会は、日本におけるクレジットカードの普及を主導した重要な団体の一つでした。その活動は、カード決済の利便性を高めるだけでなく、国際カードブランドの発行を可能にする道を切り開き、業界全体に大きな影響を与えました。解散後もその影響は今なお残っていると言えるでしょう。

もう一度検索