国際キックボクシング連盟

国際キックボクシング連盟 (IKF)

国際キックボクシング連盟（The International Kickboxing Federation）、略称IKFは、キックボクシングおよびムエタイの世界王座認定組織として1992年に誕生しました。活動拠点はアメリカ合衆国カリフォルニア州ニューカッスルに置かれ、そこが世界本部となっています。

主な活動と認定内容

IKFは、プロフェッショナルおよびアマチュアの男女選手を対象に、多様な競技ルールに基づいた世界王座やランキングを認定しています。対応するルールは以下の通りです。

フルコンタクトルール
インターナショナルルール
ムエタイルール
散打ルール

これらのルールに応じたタイトルマッチを承認し、選手の活躍の場を提供しています。

アマチュア大会「IKFワールド・クラシック」

IKFは、アマチュア選手の育成と普及にも力を入れており、世界選手権である「IKFワールド・クラシック」を主催しています。この大会は、当初はアメリカ国内選手権として始まりましたが、後に規模を拡大し北米選手権となり、現在では世界中から選手が集まる国際的な大会へと発展しました。

関連団体

IKFは、総合格闘技団体の国際競技格闘連盟（ISCF）を姉妹団体としています。また、かつてIKFの役員を務めたジャン・フア氏は、2014年に著名なキックボクシングプロモーションである「Kunlun Fight」を創設しています。

競技ルール詳細

IKFが認定する試合では、各ルールに特有の規定が設けられています。

フルコンタクトルール
競技者はプロ・アマ問わず、必ず長ズボンを着用して試合を行います。キックボクシングショーツでの出場は失格となります。攻撃においては、蹴りをベルトラインより上の部位に当てる必要があり、また、ラウンドごとに規定回数以上の蹴りを出さなければなりません（プロは8発以上、アマは6発以上）。規定数に満たない場合は減点対象となります。
インターナショナルルール
このルールでは、下半身への蹴りが認められます。ただし、肘打ちによる攻撃は禁止されています。
ムエタイルール
タイの国技であるムエタイの伝統的なルールに基づき、肘打ち、首相撲からの攻撃、膝蹴りが有効となります。
散打ルール
競技は通常、ロープのない高壇またはボクシングリングで行われます。肘打ちや膝蹴りは原則として禁止されていますが、状況によって許可される場合があります。また、投げ技が認められている点が大きな特徴です。

使用用具の規定

IKFが承認する興行では、試合で使用する競技用具は、連盟が指定したメーカーの製品を使用することが義務付けられています。例えば、グローブ、バンテージ、脛当て、足パッド、ローブロー防止プロテクターはTKO社またはリングサイド社製、マウスピースはウィップス社製、ヘッドギアはトップテン社またはTKO社製などが指定されています。

設置階級

IKFでは、男子17階級、女子10階級に分かれて王座が認定されています。

歴代の著名な王者たち

IKFの歴史を通じて、数多くの著名な選手がタイトルを獲得しています。

フルコンタクトルール
リック・ルーファス：初代IKFフルコンタクト世界ライトヘビー級王座（1994年1月22日獲得）
インターナショナルルール
リック・ルーファス：初代IKFインターナショナル世界ヘビー級王座（1998年獲得）
ムエタイルール
オーレ・ローセン：初代IKFプロムエタイ欧州ライトミドル級王座（2000年6月29日獲得）
マット・スケルトン：第2代IKFムエタイ世界スーパーヘビー級王座（2000年11月26日獲得）
デミトリー・シャクタ：IKFムエタイインターコンチネンタルウェルター級王座、IKFムエタイ世界スーパーウェルター級王座（いずれも2000年獲得）
パトリス・カルテロン：IKFムエタイ世界スーパーヘビー級王座（2008年獲得）
アマチュア
チャック・リデル：IKF全米ヘビー級王座
マヌエル・ケサダ：IKFアマチュアインターナショナルヘビー級王座（1998年3月14日獲得）、IKFスーパーヘビー級王座（1998年9月12日獲得）
ハキーム・ダオドゥ：IKFワールドクラシック ムエタイルール ウェルター級王座（2010年獲得）、IKFアマチュアフルムエタイルール ライトウェルター級世界王座（2011年獲得）
アンドレア・リー：IKF世界アマチュアムエタイ選手権 優勝（2013年、2015年にそれぞれ優勝）

IKFは、これらの活動を通じて、キックボクシングおよびムエタイの競技レベル向上と普及に貢献しています。

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