散打

散打（さんだ、Sanda）

散打は、中国武術におけるスパーリングや試合の実践を指す言葉であり、地域によっては「散手」とも呼ばれます。この技術は、パンチやキック、投げ技を基にしており、散打大会や散手大会という形で様々なルールで競われています。日本においても、散打は様々な流派で大会を開催し、広く知られるようになっています。

散打の歴史

清朝以前

武術の公開試合は「打擂台」と呼ばれ、当時は統一された競技規則が存在しませんでした。試合前には「生死状」と呼ばれる誓約書にサインをしており、このような試合は多くが決闘的な色合いを持っていました。一方で、摔跤（中国の伝統的なレスリング）は、明確な競技規則のもとで行われていました。

中華民国時代

清末からは西洋スポーツの影響を受けて中国武術を振興する動きが起こり、1928年には南京中央国術館が設立されます。この年、第一回全国国術考試が開催され、様々な派閥の武術家たちが実戦形式で競い合いました。ここで採用された散手は、防具なし、水分を制限された参加者が相手を打倒する形式でした。しかし、このルールでは負傷者が続出し、批判があがりました。

その後、ルールが次第に変化し、1933年には全国運動大会で散手種目が正式に採用され、試合用具の導入や新たなルールが設けられました。これにより、試合は長時間化し、観戦者から批判を受けることとなります。

中華人民共和国時代

建国後は武術の体育化が進み、套路競技が推進されましたが、改革開放以降は実戦的な面が軽視されるようになります。しかし、1979年に中国中央体育運動委員会が散打研究班を発足させ、競技規則や技術についての研究を進めました。

この活動によって、散打は技術体系を再編し、安全性や明確なルールを定めた上で、国際的に認知される格闘技へと発展しました。

散打の成立と普及

1989年には国家体委が散打を正式な競技として認定し、全国武術散打選手権大会を開催しました。また、1992年の第3回アジア武術選手権大会を皮切りに、様々な国際大会でも散打が正式種目として取り入れられるようになりました。

プロ散打は1997年以降、アメリカや中国で試合が行われ、国武時代国際文化伝媒が主催するイベントではテレビ放送がされるなど、インパクトを持ちました。この流れは、散打に新しい選手や興行をもたらしました。

海外での散打

日本では、散打はK-1などと交流試合を行うことで認知されるようになり、選手たちは様々な格闘技との交流を重視しました。近年では、他国でも散打競技が普及し、多くの選手が国際大会で上位入賞するようになりました。

まとめ

散打は、ただの格闘技ではなく、中国武術の重要な側面を持ち、多様な技術と戦略が融合した競技です。その歴史や発展が反映されており、世界中の武道において重要な競技として位置付けられています。

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