国際ケア機構

国際ケア機構（CARE International federation）

国際ケア機構は、1945年に設立された人道的援助を行うNGOです。最初の所在地はアメリカで、設立当初は「Cooperative for American Remittances to Europe」として知られていました。これは、第二次世界大戦後のヨーロッパへの支援を目的としたもので、22の慈善団体が協力して設立されました。特に、アメリカ軍のダウンフォール作戦のために準備された食料を、ヨーロッパの救援物資として活用することが目的でした。

過去の歴史と成り立ち

1945年11月27日にワシントンD.C.で発足した国際ケア機構は、当初、食料パッケージを送付する新たな方法として「ケア・パッケージ」を導入しました。この物資は、アメリカ人がヨーロッパの家族や友人に送るためのものであり、パッケージの価格は10ドルで、4ヶ月以内の到着が保証されていました。初めて「ケア・パッケージ」がヨーロッパに届いたのは1946年5月11日、フランスのル・アーヴルにおいてでした。

当初は、ダウンフォール作戦用に余った食料を利用していましたが、後に企業などからの寄付を受け、様々な物資が含まれるようになりました。しかし、1952年には支援範囲をアジア、アフリカ、ラテンアメリカへと拡大し、名称も「Cooperative for American Relief Everywhere」に変更されます。このようにして、国際的な人道支援団体としての歩みを続けることとなります。

日本との関わり

国際ケア機構の支援は、日本にも及んでおり、1948年以降、日本向けの「ケア・パッケージ」が送られました。1950年には、日本へ送られた物資が10万個に達し、日本国内でも多くの支援が行われました。具体的には、幼児用食料や衣類、生活用品など、多岐にわたる援助が提供され、当時の支援総額は100万ドルに上りました。

また、冷戦時代におけるベルリン封鎖時にも、国際ケア機構は救援物資を西ベルリンへ送るなど、国際的な状況に応じた援助を行ってきました。支援の内容は、地域のニーズに応じて柔軟に変更され、1960年代まで「ケア・パッケージ」の事業が続きましたが、現在では長期的な医療・教育活動や緊急災害支援に注力しています。

現在の活動

1982年に独立した組織として国際ケア機構が設立され、以降、各国に支援団体が設置されました。1994年には、国際的な援助機関としての姿勢を強調するために、組織の名称を「Cooperative for Assistance and Relief Everywhere」に変更しましたが、略称のCAREは変わらず使用されています。

現在、国際ケア機構はアメリカ、カナダ、ドイツ、ノルウェー、イギリス、オーストラリア、日本など、12の国に支援団体を持ち、合計で70カ国以上で人道支援活動を行っています。教育や医療の普及を含む活動を通じて、より良い未来の実現に向けて尽力しています。

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