国際ボクシング連盟

国際ボクシング連盟 (IBF) 概要

国際ボクシング連盟（IBF）は、プロボクシングの世界王座を認定する団体の一つであり、ボクシング界で一定の権威を有しています。その本部はアメリカ合衆国ニュージャージー州に位置し、設立当初はイーストラザフォードに置かれていましたが、後にスプリングフィールドに移転しています。

設立の背景

IBFの設立は、1979年に全米ボクシング協会（USBA）から派生し、北米ボクシング連盟（NABF）加盟州とニューヨークを除く米国各州のコミッションから成り立ちました。この経緯により、特にアメリカ選手が多く活躍する傾向が見られます。IBFの設立を主導したのはロバート・リーであり、彼の後に続く形で数名の会長が選出されています。

1983年にIBFとして独立を果たす際には、当時のWBCヘビー級チャンピオンであるラリー・ホームズがIBFに乗り換えたことで、その地位が確固たるものとなりました。

IBFのルール

IBF認定試合では、特有のルールが適用されます。代表的なものとして、フリーノックダウン制があり、選手がダウンした場合、レフェリーが続行不能と判断するまで試合が続きます。また、ノックダウンの際に選手がゴングに救われることはありません。この他にも、偶然によるバッティングの場合の勝敗判定方法や、採点方式におけるテン・ポイント・マスト・システムが採用されています。

当日計量の重要性

IBFではタイトルマッチにおいて、前日計量だけでなく当日計量も実施します。特に当日計量では、体重が10ポンド以上増量してはならないといったルールが定められています。これに従わない場合、選手権者はタイトルを剥奪され、挑戦者もタイトル挑戦が認められません。

暫定王座とその方針

IBFは、1979年からの暫定王座設置基準を厳格に定めており、これまでにわずか数人しか暫定王者を誕生させていません。この方針は、他団体の暫定王座の乱立に対する対抗策でもあります。この点において、IBFは独自性を持つ団体になっています。

女子王座の認定

2009年にIBFはメジャー団体の中で唯一女子王座を認定していない団体でしたが、2010年にその方針を転換し、女子王座の認定を開始しました。初代女子王者決定戦は、ジェニファー・レッツケとダニエラ・スミスの対戦によって行われました。女子王座の認定は、経営の改善や王座承認料の獲得を目的としたものでもあったとされています。

ムエタイ王座の設立

IBFは2017年にムエタイ部門を設立し、初代王者決定戦を行いました。この際に設立されたムエタイ王座は、ボクシングとは異なる独自のデザインで製作されています。

日本におけるIBFの影響

日本では、IBFの加盟や選手権の取り扱いに関して複雑な歴史があります。JBCは当初、IBFの存在を認めず、選手とトレーナーに対して厳しい対応を取っていましたが、2009年から王座統一戦におけるIBFの容認が始まりました。2013年にはIBFが正式にJBCに加盟することになり、日本におけるプロボクシング界も変化していきました。特に目立ったのは、高山勝成選手が日本人として29年ぶりにIBF世界王者となったことです。

まとめ

IBFは、プロボクシング界の中で独自の位置を占めている団体であり、アメリカを中心に国際的に発展を遂げてきました。独自のルールや暫定王座設定の厳格化、女子王座の認定などを通じて、ボクシング界の未来に影響を与え続けています。また、日本におけるIBFの正統化や選手権の取り扱いに関しても、新たな道を切り開く役割を果たしています。

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