国際共産主義潮流

国際共産主義潮流（ICC、International Communist Current）は、1975年にイタリア、ドイツ、オランダの左翼共産主義組織が合同して結成された国際的な革命組織です。これらの国々の伝統的な左翼共産主義を受け継ぎ、独自の理論と実践に基づいて活動しています。

ICCの思想の中核をなすのは、資本主義への徹底的な批判です。彼らは、労働組合を資本主義体制の維持に役立つ道具と見なし、選挙や議会政治をブルジョアジーによる欺瞞とみなしています。そのため、従来の政治的手段には一切頼らず、革命的な手段による社会変革を目指しています。

さらに、ICCは毛沢東主義、トロツキズム、アナキズムなどの他の極左組織も、資本主義の枠組みの中で機能する分派に過ぎないと批判的に捉えています。これらの組織と明確に一線を画し、独自の革命路線を追求している点が特徴です。

ICCは世界中に組織網を張り巡らせています。イギリス、フランス、ドイツ、スイス、イタリア、スペイン、スウェーデン、ベルギー、オランダ、トルコ、アメリカ合衆国、メキシコ、ベネズエラ、ブラジル、インド、フィリピンなどに組織が存在し、アルゼンチンにも支持者がいます。それぞれの国の状況に合わせて活動しながら、国際的な連携を密に行っています。

日本においても、ICCと関係のある活動家グループが存在し、2008年10月には機関誌『分析と交流』を発刊しました。この機関誌を通じて、ICCの思想や活動を日本国内に紹介し、議論を促進する役割を果たしています。

ICCは、自分たち以外の左翼共産主義組織や個人を「プロレタリア政治環境」(proletarian political milieu)と呼び、彼らとの議論や共同行動を通じて革命運動の拡大を目指しています。これは、単独での活動ではなく、より広範な運動との連携を重視する姿勢を示しています。

ICCの活動は、単なる理論や主張にとどまらず、具体的な行動にも表れています。彼らは、資本主義体制の矛盾を暴き、労働者階級の自覚を高めるための様々な活動を行っています。具体的な活動内容は国によって異なりますが、共通して革命的な社会変革への強い意志が感じられます。

このように、国際共産主義潮流（ICC）は、世界的な広がりを持つ独自の革命組織です。その思想と活動は、現代社会の様々な問題を考える上で重要な視点を与えてくれます。 彼らの主張は常に論争の的となり、賛否両論がありますが、21世紀においてもなお、その存在感は無視できません。今後、ICCがどのような展開を見せるのか、注目が集まります。

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