国際刑事裁判所に関するローマ規程

国際刑事裁判所ローマ規程について

国際刑事裁判所（ICC）の基礎となるローマ規程は、国際的な犯罪の管轄や手続きを定める重要な国際条約です。1998年にローマで開催された国際連合の全権外交使節会議にて、120の国々が賛成し採択されたこの条約は、4年後の2002年7月1日に発効しました。これにより、国際刑事裁判所は本格的に機能を開始しました。

沿革

ローマ規程は、設立に際して多くの国々の支持を受け、国際的な法の支配を確立するために重要なステップとなりました。1998年のローマ会議では賛成派が圧倒的多数を占め、採択された後の4年間で、必要な批准を得て正式に効力を持つようになりました。2025年には、ローマ規程に署名した国が137か国、締約国は125か国に達しています。

日本の参加

日本は、1998年7月17日にローマ規程に関する最終合意書に署名し、オブザーバー資格を得ました。そして2007年には国会での承認を受けて、上記規程への加入が決定されました。また、国際刑事裁判所に対する協力に関連する法律も制定され、これに伴い、日本は2007年10月1日に正式に105番目の締約国となりました。

管轄範囲

ローマ規程に基づく国際刑事裁判所の管轄権は、特定の犯罪に限られています。これには以下の犯罪が含まれます。
1. 集団殺害犯罪（ジェノサイド）
2. 人道に対する犯罪
3. 戦争犯罪
4. 侵略犯罪 - 2010年に改正された規程により、侵略の定義やその管轄権行使の手続が定められました。これらの犯罪は、2002年7月1日以降に発生したものに限り、国際刑事裁判所の管轄を受けます。

管轄権行使の条件

国際刑事裁判所が管轄権を行使するためには、以下の条件が必要です。

• - 犯罪行為が行われた国が締約国である場合
• - 被疑者の国籍が締約国である場合
• - 犯罪行為が行われた国または被疑者の国が非締約国で、国際刑事裁判所の管轄権を受諾する場合
• - 国連安全保障理事会が事案を付託した場合

手続きと証拠の規則

ローマ規程の実施にあたり、手続きと証拠に関する詳細なルールも策定されています。この「手続き規則」は、国際刑事裁判所の運営の円滑化を目的としており、2000年に採択されました。

まとめ

国際刑事裁判所のローマ規程は、今日の国際法と人権保護において重要な役割を果たしています。それにより、国際社会は重大な犯罪に対して法的措置を取ることが可能となり、国際的な正義の確立に大きく寄与しています。今後も多くの国々が締約国として参加し、国際的な協力を進めることが期待されています。

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