国際医療福祉大学成田病院

国際医療福祉大学成田病院

「国際医療福祉大学成田病院（こくさいいりょうふくしだいがくなりたびょういん）」は、千葉県成田市に所在する主要な医療機関です。この病院は、学校法人国際医療福祉大学によって運営される大学付属病院であり、医学部教育における臨床・研究の拠点としての機能も果たしています。英語名称は「International University of Health and Welfare Narita Hospital」とされ、略称としては「国福成田病院（こくふくなりたびょういん）」とも呼ばれています。

設立と開院の背景

本病院の設立は、日本の国家戦略特別区域法に基づく規制緩和によって国際医療福祉大学に医学部が新設されることが、2017年（平成29年）に認められた経緯と密接に関連しています。この医学部設立計画の一環として、高度な医療を提供し、教育・研究を推進する大学病院の建設が進められました。当初、2020年（令和2年）4月1日のグランドオープンを目指していましたが、その計画は世界的に広がりを見せていた新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックの影響を受けることになります。地域における感染症医療体制への貢献を急ぐため、開院は前倒しされ、同年3月16日にまずは内科と感染症科の診療が開始されました。その後、段階的に他の診療科も順次開設され、本格的な運用へと移行していきました。

医療機能と指定・認定

大学病院として、多岐にわたる専門分野の医療を提供し、先進的な医療技術の開発と導入にも取り組んでいます。また、質の高い医療を提供するための体制が評価されており、様々な公的な指定や認定を受けています。

主な指定・認定として以下が挙げられます。

DPC（Diagnosis Procedure Combination）対象病院：包括的な医療費計算方式を採用しており、効率的かつ質の高い医療提供を目指しています。
千葉県がん診療連携協力病院（肝がん）：千葉県内のがん医療連携体制の一員として、特に肝がんの分野において専門的な診療と地域連携を担っています。

これら以外にも、各種の法令に基づき、特定の医療分野や役割を担う病院として指定を受けているほか、各専門学会からの認定施設としても多くの分野で認められており、高度専門医療から一般的な疾患まで幅広く対応できる体制を整えています。

関連する人物

国際医療福祉大学成田病院には、教育・研究機関としての大学の強みを生かした多くの専門家が集まっています。その一人に、国際医療福祉大学大学院医学研究科教授および成田キャンパス感染症学主任教授を務める松本哲哉氏がいます。松本氏は、当院の国際臨床感染症センターにおいて感染制御部の部長も兼任しており、感染症対策や研究分野で中心的な役割を果たしています。

交通アクセス

本病院は、千葉県内外や海外からのアクセスにも配慮された立地にあります。

JR成田線「成田駅」からは、千葉交通、成田空港交通、ジェイアールバス関東が共同運行する「国際医療福祉大学成田病院線」の路線バスが利用でき、所要時間は約15分です。
成田国際空港からは、病院まで直通の無料シャトルバスが運行されており、約10分で到着します。これは、国際医療や海外からの患者受け入れを視野に入れた大学の特性を反映した利便性の高いアクセス手段です。
* 京成本線「公津の杜駅」からも無料シャトルバスが運行されており、こちらは約20分で病院に到着します。

これらの多様なアクセス手段により、地域住民だけでなく、国内外からの患者や関係者にとって利用しやすい環境が整備されています。

国際医療福祉大学成田病院は、国家戦略特区における医学部新設病院として、開院以来、高度医療の提供、医学教育、そして研究活動を通じて社会に貢献しています。特に開院初期における新型コロナウイルス感染症への対応は、その使命を果たす一例と言えるでしょう。地域医療の質の向上と国際的な医療連携の推進を目指し、進化を続ける医療機関です。

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